
新NISAの投資を考えたとき、
私自身はプライム市場の高配当株を多く保有しています。
永久に非課税で配当を受け取れるという点を考えれば、
高配当株は新NISAと非常に相性が良い選択に見えます。
一方で、
無配当株を新NISAで保有するのはデメリットではないか
――そんな意見もよく耳にします。
実際、
配当が出ない以上、
インカムゲインは得られませんし、
新NISAでは損益通算もできません。
そのため、
「無配当銘柄を新NISAで買うのは危険なのでは?」
と感じる人がいても不思議ではありません。
しかし成長枠について考えるうちに、
私はある疑問を持つようになりました。
それは、
グロース市場で、
今は無配当でも将来性のある企業に投資するほうが、
新NISAの非課税制度をより活かせる場面もあるのではないか?
という疑問です。
この記事では、
新NISAの制度設計を踏まえながら、
無配当銘柄・グロース株投資をどう考えるべきかを
順を追って整理していきます。
① 新NISAでの投資の考え方とは?
新NISAは、
短期売買で利益を積み重ねるための制度ではありません。
売買益・配当金が非課税になる一方で、
損益通算ができないなどの制約もあるため、
頻繁な売買には向いていない仕組みです。
あくまで前提となるのは、
中長期で企業の成長を見守る投資です。
非課税の最大の価値は「キャピタルゲイン」を丸ごと享受できること
新NISAの非課税メリットというと、
配当金が非課税になる点が注目されがちです。
しかし、本来の強みはそこだけではありません。
株価が大きく上昇した場合、
値上がり益(キャピタルゲイン)を全額非課税で受け取れること。
これこそが、新NISA最大の価値です。
特に成長枠では、
このメリットが最も活きる場面が存在します。
② 新NISAの成長枠で無配当株は意味ないのか?
結論から言うと、
新NISAの成長枠で無配当銘柄に投資することは、決して無意味ではありません。
成長枠では、
配当よりも値上がり益(キャピタルゲイン)に注目することで、
新NISAの非課税メリットが活きるケースもあります。
無配当=意味がないという誤解
成長枠で無配当銘柄を検討すると、
- ✅配当が出ない
- ✅株価下落時の下支えがない
- ✅損益通算ができない
といった点から、
無配当株は新NISAに向いていない
と感じてしまう人も少なくありません。
しかしこれは、
新NISAの非課税メリットを
「配当」に限定して考えていることによる誤解です。
③ 無配当銘柄が「意味を持つ」理由とは?
無配当銘柄の中には、
単に「配当を出せない企業」ではなく、
あえて配当を出していない企業も存在します。
こうした企業は、
得られた利益を配当に回すのではなく、
- ✅研究開発
- ✅設備投資
- ✅新規事業への投資(M&Aなど)
- ✅市場シェア拡大のための先行投資
といった、
将来の成長につながる分野へ再投資しています。
企業が成長フェーズにある場合、
利益を内部に留保し、
事業拡大を優先すること自体は、
決して不自然な選択ではありません。
株価上昇によるリターン構造
こうした企業への投資で期待されるリターンは、
配当ではなく、
株価の上昇によるリターン(キャピタルゲイン)です。
事業が拡大し、
売上や利益が伸びていけば、
企業価値の向上に伴って株価も上昇します。
このとき、
新NISAの成長枠で保有していれば、
売却時の利益を非課税で受け取れるという点が、
大きなメリットになります。
「いわゆるグロース株投資」とは?
ここで言う、
いわゆる「グロース株投資」とは、
- 現時点での配当や安定性よりも
- 将来の事業成長や市場拡大を重視し
- 株価の上昇によるリターンを狙う投資
を指します。
多くの場合、
こうした企業は成長段階にあるため、
配当を出していない、
もしくは配当水準が低い傾向があります。
新NISAの成長枠は、
このような
成長企業の値上がり益を非課税で享受できる制度として、
相性の良い側面を持っています。
④ 無配当銘柄は危険?リスクと注意点
無配当銘柄、とくにグロース株への投資には、
成長が期待できる一方で、注意すべき点もあります。
ここでは、
新NISAで無配当銘柄を選ぶ際に押さえておきたいリスクを
簡潔に整理します。
主なリスクと注意点
- 株価変動が大きい(ボラティリティが高い)
成長期待が高い分、値動きも激しくなりがち。 - 成長期待が剥がれると急落しやすい
業績や成長ストーリーが崩れると、株価が大きく下がることも。 - 金利上昇に弱い傾向がある
将来利益が重視されるため、金利上昇局面では評価が下がりやすい。 - インカムゲイン(配当)がない
株価下落時に、配当による下支えが期待できない。 - 損益通算ができない(新NISA特有)
大きな損失を出すと、非課税メリットが裏目に出る可能性。 - 高値掴みのリスク
話題先行で、実態以上に株価が高くなっている場合もある。
「無配当=危険」ではない
これらのリスクを理解したうえで選ぶのであれば、
無配当銘柄=危険というわけではありません。
重要なのは、
なぜ無配当なのかを見極めることです。
次章では、
企業が無配当である理由をどう判断すべきか、
具体的な視点から整理していきます。
⑤ 無配当でも「買っていい企業」の見分け方
無配当銘柄と一口に言っても、
中身は大きく2種類に分かれます。
- 将来の成長のために、あえて配当を出していない企業
- 配当を出したくても、出せない状態の企業
この違いを見極められるかどうかが、
新NISAで無配当銘柄に投資するうえでの最大の分岐点です。
無配当でも「買っていい企業」の特徴
次のような企業は、
無配当であること自体が必ずしもマイナスではありません。
- 利益を配当ではなく、事業成長に再投資している
- 売上・利益が中長期で右肩上がりに伸びている
- 営業キャッシュフローが安定してプラス
- 将来的な黒字拡大や配当余地が見込める
このタイプの企業は、
株価上昇によるリターン(キャピタルゲイン)が期待されるため、
新NISAの非課税メリットと相性が良いケースがあります。
いわゆる、
👉 成長性を重視する「グロース株」に多い特徴です。
注意すべき「危険な無配当企業」の特徴
一方で、
無配当であることが警戒サインになる企業も存在します。
- 利益が安定せず、赤字と黒字を行き来している
- 売上は伸びているが、利益が伴っていない
- フリーキャッシュフローが慢性的に不足している
- 「成長ストーリー」だけが先行している
このタイプは、
成長しているように見えて、実態が伴っていないケースも多く、
株価が期待先行で高値になりやすい点には注意が必要です。
見分けるためのシンプルなチェックポイント
無配当銘柄を検討する際は、
最低限、次の点を確認しておきたいところです。
- 売上と利益は、数年単位で伸びているか
- 本業でしっかり現金を生み出せているか
- 「今は無配当」でも、将来の収益像が描けるか
これらに明確な根拠がある企業であれば、
無配当であっても「買っていい企業」と判断できる余地があります。
⑥ 無配当グロース株投資は新NISAに向いているのか?
結論から言うと、
⑤で解説した「見極め」ができるのであれば、
無配当グロース株投資は新NISAと非常に相性が良い投資手法です。
新NISAの最大の強みは、
👉 大きな値上がり益(キャピタルゲイン)を、非課税で享受できること。
この特徴は、
将来の成長に賭けるグロース株投資と、方向性が一致しています。
見極めができるなら:新NISAの強みが最大限に活きる
成長性があり、
将来的な企業価値の拡大が見込める無配当グロース株は、
- 株価が数倍になる可能性がある
- 成功時のリターンが非常に大きい
という特徴があります。
こうした大きな値上がり益を非課税で受け取れる点は、
新NISAならではの圧倒的なメリットです。
高配当株のように
「毎年の配当を受け取る投資」とは違い、
一度の成功で大きな恩恵を受けられるのが、
無配当グロース株 × 新NISAの組み合わせです。
見極めができないなら:非課税メリットが裏目に出る
一方で、
⑤の見極めができていない状態で無配当グロース株に投資すると、
- ✅株価下落時に配当という下支えがない
- ✅損失が出ても損益通算ができない
といった新NISA特有のデメリットが、
そのままリスクとして表面化します。
つまり、
「非課税だから安心」ではなく、
「非課税だからこそ慎重さが必要」ということです。
具体例:ispaceのような宇宙産業への投資
宇宙産業関連企業、たとえば ispace のような銘柄は、
- 当面、配当は期待できない
- 事業の成否によって企業価値が大きく変わる
という、典型的な無配当グロース株です。
成功すれば、
株価が大きく上昇する可能性がある一方で、
失敗すれば厳しい評価を受けることもあります。
こうしたロマン性の高い投資だからこそ、
👉 成功したときのリターンを非課税で受け取れる新NISA
が活きてくる場面だと言えます。
重要な注意点:ロマン投資の基本ルール
無配当グロース株投資は、
あくまでハイリスク・ハイリターンな側面を持ちます。
そのため、新NISAであっても、
「失敗しても生活に影響しない範囲」で行うこと
これは必ず守るべき大前提です。
新NISAは、
ロマンに全力で賭けるための制度ではなく、
リスクを理解した上で、夢に一部を託すための制度。
その距離感を保てる人にとって、
無配当グロース株投資は、
新NISAの魅力を最大限に引き出す選択肢になり得ます。
無配当グロース株は、
成功すれば大きなリターンが期待できます。
ただし新NISAでは、
損失が出ても損益通算ができない点には注意が必要です。
その点については、
「新NISAの損切りはどう考える?」
で詳しく解説しています。
⑦ まとめ|新NISAの成長枠に無配当株は意味ない?
結論から言うと、
新NISAの成長枠投資において、無配当株は決して意味がないわけではありません。
新NISAの最大の魅力は、
大きな値上がり益(キャピタルゲイン)を非課税で受け取れること。
この特徴は、将来の成長に期待するグロース株投資と高い親和性があります。
ただし前提となるのは、
無配当である理由を見極めること。
成長投資を優先している健全な企業であれば、
無配当であっても「大化け」を狙う投資として、
新NISAのメリットが活きる可能性があります。
その見極めに役立つのが、
企業の成長性や本質を捉えるファンダメンタル分析です。
これらの記事で解説している考え方は、
無配当グロース株を「ロマン」で終わらせず、
投資として判断するための土台になります。
高配当か、無配当か。
正解は一つではありません。
新NISAは、理解した人ほど選択肢が広がる制度です。


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