
「Switch 2が売れすぎて株価が下がるなんて、そんなバカな——。」
2月3日の決算発表。蓋を開けてみれば、
新型機「Nintendo Switch 2」の累計販売台数は驚異の1,700万台を突破。
過去最高のペースで株価の一段高を期待した投資家も多いと思います。
しかし、現実は非情でした。
決算直後から任天堂(7974)の株価は坂道を転げ落ちるように急落。
ついに節目の1万円を割り込み、2月14日(執筆時)には8,300円台まで沈んでいます。
「なぜ、これほど業績が良いのに売られるのか」
「掲示板で言われている“材料出尽くし”だけで、ここまで下がるのか」
投資家なら誰もが抱くこの疑問。
しかし今回の暴落の裏には、
決算書を表面なぞっただけでは見えてこない、“2人の真犯人”が隠れていました。
キーワードは、世界を熱狂させている
🔥『AIメモリ』の強欲 と
🧩沈黙を破った巨兵『Google』の影。
ふだん個別銘柄の記事は書かないのですが、任天堂の急落が気になって仕方がないので、分析がてら買おうかどうか考えてみたいと思う。
※以下は決算内容と業界動向をもとにした筆者の仮説です。
【異変①】AIブームの影。犯人は『AIメモリ』の供給ショック
「Switch 2が売れているのに、なぜ利益の伸びが鈍いのか?」
その答えは、任天堂の努力ではどうにもできない「世界的なメモリ争奪戦」にあります。
AIサーバーが、ゲーム機の部品を「買い叩いて」いる
今、エヌビディア(NVIDIA)を中心としたAIバブルにより、世界中のデータセンターで「HBM(高帯域幅メモリ)」という超高性能メモリが爆食いされています。
問題はここからです。
メモリメーカー(サムスンやSKハイニックスなど)は、
利益率の極めて高いAI用メモリの生産を最優先するため、
Switch 2に使われるような汎用メモリ(DRAMやNANDフラッシュ)のラインを削り始めました。
その結果、
汎用メモリの価格が、わずか数ヶ月で3〜4倍に高騰。
👤私も新しく自作PCを組もうと思ったらメモリの価格にビックリしました。
「売れば売るほど、利益が削られる」という悪夢
任天堂の古川社長は、2月3日の決算説明会でこう漏らしました。
「メモリなどの部材高騰は、来期(2027年3月期)以降、ハードウェアの収益性を押し下げるリスクがある」
Switch 2の売上高は前年からほぼ倍増という凄まじい勢い。
しかし営業利益率は 25% → 15% と、10ポイントも急落しました。
投資家流に翻訳すると、こういうことです。
- ✅当初の想定: Switch 2を1台売って、利益5,000円!
- ✅今の現実: メモリ代が高すぎて、利益が2,500円に激減……
1,700万台という数字は確かに輝かしいですが、それはあくまで「部材が安かった時期の在庫」で達成されたもの。今後の増産分は、この高騰した「AI価格」のメモリを積まざるを得ません。
市場は「Switch 2は、売れば売るほど利益率が下がっていく『豊作貧乏』に陥るのではないか?」という疑念を抱き、それが1万円割れの引き金となったのです。
市場では「コスト増を補うために、本体価格を15%以上値上げせざるを得ないのではないか」という予測まで飛び出しています。そうなれば、今度は販売台数にブレーキがかかる……。この「値上げか、減益か」という苦しい選択を迫られているのが今の任天堂です。
【異変②】Googleが仕掛けた「見えない包囲網」
メモリの高騰が「目先の利益」への打撃なら、もう一つの要因は「任天堂の未来」を揺るがす巨大な影です。
沈黙を破った巨兵「Project Genie(プロジェクト・ジニー)」
2026年1月29日、Googleが発表した実験的AIプロトタイプ「Project Genie」が、世界のゲーム業界に激震を走らせました。
これが何かって? 簡単に言うと、
「画像1枚やテキストを入力するだけで、AIがその場で遊べるゲーム世界をリアルタイムに生成してしまう」という技術です。
これまで任天堂が数千人のクリエイターと数百億円の予算を投じて作ってきた「マリオの世界」のような体験を、AIがボタン一つで、しかもクラウド上で生み出してしまう可能性。
この技術の発表直後、ゲーム開発の手法を根本から変える可能性(AIによるゲーム生成の自動化など)が懸念され、大手ゲーム関連企業の株価が急落するなどの影響が見られました。
「ハードウェア」という壁が崩れる恐怖
投資家が最も恐れているのは、「もはや高い専用ゲーム機(Switch 2)を買わなくても、スマホやPCブラウザでAIが作った無限のゲームを楽しめる時代が来るのではないか?」という未来です。
実際、この発表直後にUnityやRobloxといったゲーム制作プラットフォームの株価が20%近く暴落。その余波が、独自のハード・ソフト一体型ビジネスを貫く任天堂にも及んだのです。
⚔️ 職人芸(任天堂) vs AIによる量産(Google)
この構図が意識されたことで、
「Switch 2がどれだけ売れても、それが『最後の輝き』になるかもしれない」
という極端な悲観論が一部で噴出しました。
そして決算から10日経っても株価が戻らないのは、この「ゲームのあり方が根本から変わってしまう恐怖」が、じわじわと投資家の心理を侵食しているからです。
【本音】8,300円の任天堂は「絶望」か「バーゲンセール」か
さて、ここまで「AIメモリ」と「Google」という2人の真犯人を見てきました。 数字で見ればSwitch 2は爆売れ。しかし、背後にはコスト増と破壊的技術の足音が迫っている……。
「じゃあ、結局のところ任天堂株は買いなの?」
私の結論を言えば、「今は恐怖が勝ちすぎているが、任天堂を甘く見すぎではないか」
と考えています。
- ✅メモリ価格はサイクル。AI特需もいつかは落ち着く。
- ✅GoogleのAIがどれだけ凄くても、「マリオ」や「ゼルダ」というIP(キャラクター)の魅力まではコピーできない。
現在の株価8,300円台は、PER(株価収益率)で見れば約24倍。過去の任天堂からすれば、十分に「拾える」水準まで落ちてきました。
2月27日の「ポケモンデイ」で新作の発表など、明るいニュースが一つでも出れば、この「お通夜ムード」は一気に引っくり返るはず。私は、指をくわえて見ているより、少量を仕込んでみるという選択肢を真剣に検討しています。
なお、今回の任天堂株の下落は個別要因が大きいものの、
背景には金利上昇を意識した日本株全体の地合い変化も無視できません。
利上げ局面で注目されやすい銘柄については、こちらの記事で整理しています。
【現実】正直、まだ「底」は見えていない
ここまで「任天堂固有の理由」を挙げてきましたが、さらに視野を広げると、逃れられない「2つの大きな重し」が見えてきます。
① 海外投資家による「投げ売り」の連鎖
任天堂は、日本を代表する国際優良株。
そのため株主構成の約48%を海外投資家が占めています。
今回の決算後、一部の海外機関投資家が
「利益率の低下」を理由に投資判断を引き下げました。
海外勢は一度「売り」と決めると、
数週間にわたって機械的に売り続ける傾向があります。
つまり——
約半分を握る彼らが“今は買い時ではない”と判断している限り、
個人投資家がどれだけ買い支えても底打ちには時間がかかる。
これが、私の冷めた見方です。
② 日経平均の「お祭り騒ぎ」への調整懸念
もう一つの懸念は、日本株全体の動きです。
2月8日の衆議院選挙での自民党(高市政権)圧勝を受け、
日経平均は一時 3,000円超の大暴騰 を見せました。
市場は今、まさにお祭り状態。
しかし相場の鉄則はただ一つ。
「急すぎる上昇には、必ず急な調整がくる」
もし今後、日本株全体に利益確定売りが出始めれば、
任天堂株はさらに連れ安するリスクがあります。
つまり、
「日経平均が強いから任天堂も大丈夫」ではなく、
「日経平均が崩れた時、任天堂はどこまで掘るのか?」を警戒すべき局面。
まとめ:個人的見解
「頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言の通り、
天井や底を完璧に当てるのは容易ではありません。
現在の状況は、まさに
「落ちてくるナイフ」を素手で掴むような局面。
しかし——
SNSや掲示板で悲観的・絶望的な書き込みが溢れ、
総悲観の空気が漂い始めた時こそ、絶好の買い場になる
と私は睨んでいます。
🎮 2月27日の「ポケモンデイ」が“審判の日”
短期的には、例年2月27日に開催される「ポケモンデイ」が株価の支えになると見ています。
特に2026年は、シリーズ30周年という節目。
動画番組「Pokémon Presents」で、
待望の完全新作(第10世代)などのビッグサプライズが出れば、
今の重苦しい空気を一変させる
「反撃の狼煙」になるでしょう。
逆に、期待外れの発表に終われば、
株価の上昇はお預けとなり、
さらなる調整(底探し)が続くのではと…
👤個人的には買いたくてウズウズしています。
- ポケモン公式YouTubeチャンネル:
Pokémon Day(2月27日)に合わせた「Pokémon Presents」が配信されます。昨年は日本時間23時から開始でしたが、時刻は年によって変わる可能性があります。 - ポケモン公式X(@Pokemon_cojp):
最新の告知や配信前のリンクなどが投稿されることがあるので、事前にチェックしておくと確実です。



コメント