
※ 本記事で言う「攻め」とは、
ギャンブル的に値動きを追いかけることではありません。業績・受注・利益率など、
数字の「変化」が株価を押し上げるエネルギーになる局面を捉え、
その結果生じるボラティリティを味方につける考え方です。
2026年相場は、
「上がる株を当てる」よりも、
“数字が変わる瞬間をどう捉えるか”が問われる相場です。
本記事では、
業績・受注・利益率といった
数字の変化が株価を大きく動かしやすいセクターに絞り、
ボラティリティを味方につける
「攻めのポートフォリオ」を整理しました。
値動きは激しい。
しかし、見る数字を間違えなければ、
それはリスクではなくチャンスになります。
※ なお、2026年相場で
「大きく負けない配置」を先に固めたい方は、
金利・防衛・インフラを軸にした
👉 【数字で選ぶ】負けないポートフォリオ戦略 もあわせてどうぞ。
セクター① 半導体(メモリー・装置・後工程)
― 需給と価格が最も早く“数字”に表れるセクター
AI需要の拡大により、半導体市場は
「将来の成長を語る段階」から、
需給と価格が実際の数字として動くフェーズに入っている。
特にメモリーは、
需給改善=価格上昇が早く、
売上・利益に一気に反映されやすい構造。
また、製造装置や後工程は、
設備投資の再開や稼働率上昇の影響を強く受け、
決算を見れば“変化が起きたかどうか”がはっきり分かる。
👉 2026年相場で
ボラティリティを最も数字で捉えやすいセクター。
注目銘柄①【王道枠】ディスコ(6146)
― 稼働率が1段上がるだけで利益が跳ねる装置株
選定理由(数字の変化)
- 半導体市況が回復局面に入ると、
受注 → 稼働率 → 利益が一直線につながる - 稼働率上昇により固定費吸収が進み、
営業利益率が一気に改善しやすい - ロジック・メモリー両方に関与するため、
市況反転の初動から数字が出やすい
👉
「市況が戻ったかどうか」は、
ディスコの決算を見れば分かる
役割
- 半導体セクターの軸
- 市況回復初動を捉える王道枠
注目銘柄②【ボラティリティ枠】キオクシアHD(285A)
― メモリー価格が動いた瞬間、評価が一変する銘柄
選定理由(数字の変化)
- メモリー専業のため、
需給改善=価格上昇の影響をダイレクトに受ける - 価格が上がれば、
赤字 → 黒字転換の“段差”が非常に大きい - 市況転換点では、
決算1回で評価が一変しやすい構造
👉
「価格が動くと、株価も動く」
ボラティリティを最も純粋に味わえる半導体株
役割
- 市況転換点を取りにいく攻め枠
- 成功時のリターンは大きいが、市況確認は必須
セクター② 宇宙・防衛セクター
― 予算の「増分」がそのまま株価を押し上げる分野
台湾有事や地政学リスクを背景に、
防衛予算は「現状維持」ではなく、
複数年にわたる増額フェーズに入っている。
特に、
宇宙・サイバー・無人領域は
新規予算の“増分”が集中しやすい分野。
装備更新のような単発需要ではなく、
契約・運用・保守まで含めた継続案件が多く、
受注残として数字に積み上がる構造を持つ。
👉 2026年相場で
「思惑」ではなく「予算」で動く、数少ない攻めセクター。
注目銘柄① 【ボラティリティ枠】QPSホールディングス(464A)
― 受注が1本入るだけで評価が変わる宇宙防衛株
選定理由(数字の変化)
- 小型SAR衛星というニッチ領域に特化
- 国防・災害監視・安全保障需要が直結
- 受注・契約の開示がそのまま材料になりやすい
- 案件1本で売上見通しが大きく変わる構造
👉
「受注ニュース=業績期待の更新」
ボラティリティが最も出やすい宇宙防衛銘柄。
役割
- 宇宙・防衛セクターのボラティリティ枠
- 成功時のリターンは大きいが、案件進捗の確認必須
注目銘柄②【王道枠】NEC(6701)
― 防衛×宇宙×サイバーで“数字が積み上がる”中核企業
選定理由(数字の変化)
- 防衛通信・指揮管制・宇宙関連システムを担う中核
- 防衛比率が上昇し、受注残が継続的に増加
- ハードではなくシステム・保守型で収益が途切れにくい
- 宇宙・電子戦・サイバーが重なり、国策色が強い
👉
「派手さはないが、数字は着実に積み上がる」
攻めポートフォリオでも軸に据えやすい王道防衛株。
役割
QPS研究所のボラティリティを中和する存在
宇宙・防衛セクターの安定軸
セクター③ エネルギー(電力・資源・再稼働)
― 政策・需給・再評価が一気に進むボラティリティ枠
エネルギーは「守り」のイメージが強いが、
電力株に限っては2026年は“再評価フェーズ”に入りつつある。
- 電力料金の見直し
- 原発再稼働の進展
- 国策としてのエネルギー安定供給
これらはすべて、
決算数字が“跳ねる可能性”を内包した材料。
特に、
「過去のイメージで避けられてきた銘柄」ほど、
変化が出たときの株価反応は大きい。
注目銘柄①【ボラティリティ枠】東京電力ホールディングス(9501)
― 再稼働×料金是正で“評価が変わる”代表格
選定理由(数字の変化)
- 柏崎刈羽原発の再稼働が最大のカタリスト
- 再稼働=燃料費圧縮=利益構造が一変
- 電力料金の是正で赤字体質からの脱却が視野
- 国が事実上のバックにいる特殊構造
👉
「倒産しないが、評価はまだ低い」
このギャップこそが、ボラティリティの源泉。
役割
- 政策ドリブンの攻め枠
- 成功時のリターンは大きいが、進捗管理必須
注目銘柄②【安定×攻めの中間】INPEX(1605)
― 資源価格とキャッシュフローの二重取り
選定理由(数字軸)
- 原油・ガス価格に連動する収益構造
- キャッシュフローが太く、財務耐性が高い
- エネルギー安全保障の国策銘柄
- 高配当+市況反転で株価も動きやすい
👉
「下は堅く、上も取りに行ける」
攻めポートフォリオのバランサー役。
役割
- エネルギーセクターの安定装置
- 東京電力のボラティリティを中和する存在
セクター④ フィジカルAI/次世代DX
― 実装進展の“数字の変化”が利益に直結する攻めセクター
生成AIで注目されるのは “情報処理” だけではありません。
AIが現実世界に組み込まれ、成果を生むかどうか、
つまり PoC → 量産稼働 → 売上増加 の実装ステージが見える分野こそ、
2026年相場でボラティリティの源泉になります。
特に
- 製造現場の自動化
- サプライチェーンの最適化
- 物流・倉庫のAI化
- 高付加価値ロボット
といった現場領域のAIは、
数値化できる投資→収益の流れが明確です。
👉
「AIが使われる現場」が数字で見えるようになると、
株価はそれに素直に反応する。
注目銘柄①【王道枠】安川電機(6506)
― 産業用ロボット×AIで“数字の変化”が強く出る
選定理由(数字の変化)
- 産業用ロボットの世界的な需要回復・更新需要
- AI・画像認識・協調制御の実装が進むと受注が加速
- 受注残・稼働率・製品単価の上昇が営業利益に直結
- PoC段階ではなく、現場稼働が数字として見える
👉
「AIを売る」ではなく、
AIが現場で“価値を生んでいる段階”を数字で追える
役割
- フィジカルAIセクターの柱
- 実装段階の成長を捉える安定軸
注目銘柄②【ボラティリティ枠】キーエンス(6861)
― 高精度データでAI活用の“出力を示す”装置株
選定理由(数字の変化)
- センサー・測定機器としてAI活用のデータ基盤を提供
- 受注・売上の伸びが利益率に直結
- 生産現場の高度自動化フェーズで需要増加
- 発表・決算で評価が変わりやすい
👉
「AIを動かす“目”を持つ」ため、実装の進展と連動しやすい
役割
- フィジカルAIセクターのボラティリティ枠
- 市場の変化が数字で読みやすい
セクター⑤ 建設・プラント(更新・受注残枠・国策)
― 「景気より受注残」を見る、いちばん読みやすい安定セクター
このセクターの本質はシンプルです。
👉 株価を動かすのは景気より「受注残」
- 老朽インフラ更新
- 脱炭素・省エネ投資
- 工場・プラントの設備更新
これらは
「やる/やらない」ではなく「いつやるか」問題。
そのため、
✔ 受注残が積み上がる
✔ 数年先まで売上が見える
✔ 金利・景気の影響を受けにくい
という、数字で追いやすい王道セクターになります。
注目銘柄①【王道中の王道】日揮HD(1963)
― 受注残=将来売上が最も分かりやすい
選定理由(数字の変化)
- エネルギー・化学プラントの世界大手
- LNG、脱炭素、アンモニア、水素関連の大型案件
- 受注残高が売上の“先行指標”として機能
👉
受注残が増えた=数年先の売上が確定に近づく
決算を見るときも
- 受注高
- 受注残高
- 採算改善
を見るだけで、投資判断がブレにくい。
役割
- 建設・プラント枠のコア
- ポートフォリオの安定軸
注目銘柄②【準王道】千代田化工建設(6366)
― 高リスクだが、テーマ性は強い
選定理由(数字の変化)
- LNG・水素・脱炭素プラントに強み
- 過去の大型損失で評価は低位
- 受注回復が進むと株価の反応は速い
👉
「受注が戻るかどうか」だけを見る銘柄
役割
- 建設・プラント枠のスパイス
- 小さめで“数字改善待ち”
ここまで見てきた通り、
2026年相場には
「数字が動いた瞬間に、株価が一気に反応する」
攻めのセクターが数多く存在します。
ただし、
こうした攻めの戦略が機能するかどうかは、
すでに「負けにくい土台」を持っているかで決まります。
金利・国策・生活インフラを軸に、
数字で安定性を重視したポートフォリオについては、
👉 こちらの記事で整理しています。
【実践編】ボラティリティを味方につける「2つの仕掛け方」
攻めのセクターが決まっても、値動きの激しい相場で「いつ、どう買うか」は永遠の課題です。
私も30年ほど相場と向き合ってきましたが、結局のところ、ボラティリティを恐怖ではなく「利益の源泉」に変えるために行き着いたのは、非常にシンプルな2つの作法でした。
① 「数字が出る前」に半分、「出た後」に半分
ボラティリティが大きい銘柄は、決算やニュースなどの「数字の変化」が出た瞬間に、窓を開けて飛んでいくことがよくあります。
- 1回目(打診): 自分が納得できる「数字の仮説(再稼働しそう、受注が増えそう)」が立った時点で資金を半分入れる。
- 2回目(追撃): 実際に良い決算やニュースが出て、市場がそれに反応し、「トレンドが確定した数字」を確認してから残りの半分を乗せる。
👤独り言: > 「一気に買わない」のは、予想が外れた時のダメージを最小限にするためです。一番の敗北は、次のチャンスを待つ資金がなくなることだと、これまでの苦い経験から学びました。
② 「時間軸」ではなく「変化率」で売る
攻めのポートフォリオでは、「3ヶ月持つ」「半年持つ」といった期間で考えるのは禁物です。見るべきは時間ではなく「数字の変化率」です。
- 利を伸ばす基準: 受注残が増え続けている、または利益率が右肩上がりの間は、どれだけ株価が上下しても(ボラがあっても)持ち続ける。
- 逃げの基準: 株価が下がったから売るのではなく、「受注の伸びが鈍化した」「期待していた数字が想定を下回った」など、攻める根拠にした数字が崩れた瞬間に、未練なく手放す。
👤独り言: 株価の乱高下に一喜一憂せず、「その裏にある数字がまだ生きているか?」だけを静かに見守る。これが、相場で長く生き残るためのコツだと思っています。
【出口戦略】「夢」が「現実の数字」に負けた時が、手放す時
ボラティリティを楽しむ投資において、最も難しいのは利益確定と損切りです。私は「株価」そのものよりも、投資した根拠である「数字の変化」を出口の合図にしています。
① 「数字の鈍化」を察知した瞬間の利益確定
株価がまだ上がっていても、その裏にある数字に「陰り」が見えたら、私は利益確定を検討します。
- 受注残の伸びが止まる: 建設や宇宙防衛など、受注が命のセクターで「新規受注<売上」の状態が2四半期続いたら、成長のピークと判断します。
- 利益率の低下: 半導体などで売上は増えているのに、コスト増で利益率が下がり始めた時。
👤 独り言: 「天井で売ろうとするのは強欲です。数字が一番綺麗な時に、次に期待している人に少し利益を分けてあげるくらいの気持ちで手放すのが、長く生き残るコツです。」
② 「ストーリーの崩壊」による即時の損切り
ボラティリティ銘柄において、以下の事態が起きたら、株価に関わらず機械的に撤退します。
- 再稼働や承認の「無期限延期」: 東電の再稼働ニュースのように、投資の「前提条件」が数字として期待できなくなった時。
- コンセンサス(市場予想)を大きく下回る決算: 期待値が高い銘柄ほど、数字が市場の予想に届かなかった時の失望売りは容赦ありません。
👤 独り言: 「損切りは敗北ではありません。次の戦いに向かうための『防衛費』を確保する行為です。30年やってきても、予想が外れることはあります。大切なのは、外れた時に素直に数字を認める勇気です。」
相場は、
夢を語った人ではなく、
数字の変化を確認し続けた人にだけ、
次のチャンスをくれます。
2026年相場も、
見るべきはいつも同じです。
攻めの戦略がハマるかどうかは、
すでに「負けにくい土台」を持っているかで決まります。
まだ土台が固まっていない方は、
まずはこちらからどうぞ。
【参考】攻めのポートフォリオ・セクター配分イメージ

※ あくまで考え方を示すモデルであり、
個人の資金量・リスク許容度により調整してください。
① ボラティリティ中核(約50%)
数字の変化が最も早く株価に出る部分
- 半導体(ディスコ/キオクシアなど)
- フィジカルAI(安川・キーエンス)
👉 攻めのエンジン部分
② 政策・国策ドリブン(約30%)
「予算」「再稼働」「国策」が下支え
- 宇宙・防衛(NEC/QPS)
- エネルギー(東電/INPEX)
👉 ボラティリティはあるが、数字の根拠が強い
③ 安定装置(約20%)
攻めを支える“数字が読める土台”
- 建設・プラント(日揮/千代田)
👉 受注残という見える数字で全体を安定させる


コメント