【知らないと損する優待クロスの謎③】一般信用(15)の数字は、ほとんど意味がない?

一般信用(15)は15日前・15日間ではないことを、カレンダーと数字で示した優待クロス解説用トップ画像 株主優待
一般信用(15)は15日前・15日間ではないことを、カレンダーと数字で示した優待クロス解説用トップ画像

株主優待をお得に取る方法として、
「優待クロス」はよく知られています。

現物を買い、同時に信用で売る。
やっていること自体は、シンプルです。

ところが――
一般信用(15)を使ったはずなのに、

  • ✅すでに在庫がなくなっている
  • ✅貸株料が想定と合わない

そんな違和感を感じたことはないでしょうか。

制度信用を使ったわけでもない。
特別な失敗をしたつもりもない。

それでも起きるこのズレは、
一般信用(15)という数字の見方に原因があります。

この記事では、
「15日前だと思ってしまう誤解」
「15日間で終わると思ってしまう誤解」
この2つの謎を整理します。

なお、この記事では便宜上「一般信用(15)」で説明しますが、
一般信用(14)などの場合でも、考え方は同じです。

第1章|一般信用っていくつか種類があるけど、どれを使えばいいの?

一般信用取引は、
証券会社が独自に返済期限や金利を設定する信用取引です。

そのため、制度信用とは違い、
返済期限や条件は証券会社ごとに異なります。

一般信用は、大きく分けると次の3種類があります。

  • 一般信用(無期限)
  • 一般信用(短期)
  • いちにち信用(当日中)

株主優待を目的とした優待クロスでは、
この中の 「短期」の一般信用 が使われるのが一般的です。

実際、多くの証券会社では
この短期の一般信用に
「14日」「15日」 といった数字が付いています。

一見すると、
この数字がそのまま
「使える期間」や「かかる日数」を表しているように見えます。

ですが――
ここから先で、多くの人が勘違いします。

第2章|一般信用(15)は15日前から?優待クロスの開始日はいつ?

一般信用(15)と聞くと、
多くの人がこう考えます。

「権利付き最終日の15日前から使える」

ですが、これは誤解です。

一般信用(15)の「15」は、
カレンダー上の15日前を意味していません。

一般信用(15)は「営業日ベース」

権利付き最終日が1月28日の場合に、一般信用(15)の起算日が営業日ベースで1月7日になることを示した1月の取引カレンダー画像

一般信用(15)でカウントされるのは、
営業日ベースの日数です。

土日や祝日はカウントされません。

そのため、
カレンダー上では15日以上前であっても、
営業日で数えると
まだ「15」に届いていないのです。

権利付き最終日が1月28日の場合、
一般信用(15日)で最長クロスをするには 1月7日(水)から注文可能 です。
システム上、前日1月6日の夕方から注文が受け付けられることもあります。

営業日カウントのズレで在庫(一般信用枠)が取れなくなる

この仕組みを知らないと、
こんなズレが起きます。

  • ✅「まだ15日前じゃない」と思って待つ
  • ✅実際には、すでに営業日ベースで解禁されている
  • ✅気づいたときには、一般信用枠がすでに埋まっている

特に人気の株主優待銘柄では、
解禁日に一気に在庫が動くため、
この差が致命的になります。

第3章|一般信用(15)は15日間じゃない?貸株料と日数の誤解

一般信用(15)を最長で使おうとすると、
気になるのが貸株料です。

「15日って書いてあるんだから、
 貸株料も最長15日分で計算すればいいよね?」

そう考えてしまいますが、
ここにも大きな誤解があります。

一般信用(15)=貸株料が15日分
ではありません。

貸株料は「約定日から返済日まで」で決まる

貸株料の基本的な考え方は、シンプルです。

貸株料 = 約定代金 × 貸株料率 × 借りていた日数 ÷ 365

ここで重要なのは、
この「借りていた日数」が

  • 一般信用(15)という数字
    ではなく、
  • 実際に建ててから返済するまでの日数

で決まるという点です。

なぜ貸株料が「15日間」より長くなるのか?

理由はシンプルです。

一般信用(15)と貸株料では、
日数を数える基準が違うからです。

一般信用(15)の「15」は、
営業日ベースの上限日数です。

  • ✅土日や祝日はカウントされない
  • ✅「15日間」ではなく「15営業日以内」という意味

一方、貸株料は、

  • 売建が約定した日から
  • 返済が約定した日までの
  • 実際に借りていた日数(約定日ベース)

で発生します。

この日数には、
土日や祝日もすべて含まれます。

2つのルールがズレるとどうなるか【日数で見る】

一般信用(15)は、
最大15営業日まで借りられる というルールです。

では、実際に
「一般信用(15)を最長で使った場合」、
何日間借りていることになるのでしょうか。

例として、次のケースを見てみます。

2026年1月のスケジュール確認

  1. 権利付き最終日:1月28日(水)
  2. 権利落ち日(現渡日):1月29日(木)
  3. 開始約定日:1月7日(水)

貸株日数の計算ステップ

受渡終了日:1月29日(木)の2営業日後 ➡ 1月30日(金)の次は土日のため、2月2日(月)

受渡開始日:1月7日(水)の2営業日後 ➡ 1月9日(金)

となり、
最長25日間分の貸株料が発生します。

※2026年1月を例にすると「権利付き最終日が水曜日」の場合、翌日の権利落ち日(木)に現渡を行うと受渡日が月曜日までズレ込むため、貸株日数は25日となります。

まとめ|「15」という数字を信用しすぎない

【知らないと損する優待クロスの謎】シリーズ、
今回は「一般信用(15)」に焦点を当てました。

実際、私も初心者の頃は、
貸株料を「15日分」で計算しており、
権利落ち日に現渡した際、
「思ったより貸株料が高いな…」と
首をかしげたことがあります。

優待クロスは、
貸株料などの手数料を払ってでも、
株主優待をもらったほうが得かどうかを考える取引です。

だからこそ、
一般信用(15)の数字の意味や、
貸株料がどのように計算されるのかを知っておくことは、
決して無駄にはなりません。

知っているだけで、
余計な損や違和感を避けることができます。

優待クロスで
「思ったよりコストがかかる」と感じる原因は、
実はひとつではありません。

今回解説した
一般信用(15)の日数の誤解に加え、

・権利付き最終日の曜日による貸株料の違い
・配当落ちに伴う調整金の仕組み

など、
それぞれ別の仕組みが重なって起きています。

このあたりは、
【知らないと損する優待クロスの謎】シリーズとして
個別に整理しています。

👉【知らないと損する優待クロスの謎】権利付き最終日は曜日によって貸株料が増える?

👉【知らないと損する優待クロスの謎】配当金で損するは本当?配当と配当落ち調整金の違い

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