
新NISAは、
運用益が非課税になる非常に優れた制度です。
一方で、どんな制度にも言えることですが、
新NISAも「完璧」というわけではありません。
実際に調べていくと、いくつか注意すべきデメリットが存在します。
ただし、新NISAのデメリットについては、
細かい注意点が個別に語られることが多く、
全体像が見えにくいのが実情です。
そこで本記事では、
新NISAのデメリットを
- ✅損益通算ができない問題
- ✅1人1口座という制度上の制限
- ✅無配当株は本当に不利なのか
という視点から整理し、
本質的には「3つ」に分けて考えられることを解説します。
この記事の3秒結論:
- 損益通算不可は「絶対の罠」
- 口座選びは「やり直し不可」の覚悟で
- 無配当株は「戦略次第で武器」になる
新NISAのデメリットは本当に多いのか?
新NISAについて調べていくと、
次のような「デメリット」や「制限」が目につきます。
細かい制約が「多く見えてしまう理由」
- 短期売買には不向き
▶️ 非課税メリットは長期保有を前提に設計されているため - 投資できる商品に制限がある
▶️ 国が「長期・分散投資」に適さない商品を除外しているため - 損益通算・繰越控除ができない
▶️ 課税口座と違い、損失を税務上で活用できないため - 金融機関の変更に制限がある
▶️ 1人1口座・年1回変更という管理ルールがあるため - 年間・生涯の投資額に上限がある
▶️ 非課税制度の公平性を保つための上限設定があるため - 金融機関によってはサービスが限定的
▶️ 証券会社と銀行では、提供される投資サービスに差があるため - 18歳未満は利用できない
▶️ 制度上、成人向けの資産形成を目的としているため
こうして並べると、
「新NISAって、意外と制限だらけなのでは?」
と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、ここで一度立ち止まって考える必要があります。
これらはすべて性質の異なる話であり、
同じレベルの「欠点」として並べるべきものではありません。
👉 ただし結論として
新NISAのデメリットは、
数が多いのではなく、細かく分解されて語られているだけです。
実際には、次の3つが混在しています。
- ✅制度の設計上、どうしても避けられない制約
(損益通算ができない、1人1口座など) - ✅投資スタイルによっては問題にならない注意点
(短期売買に不向き、商品制限など) - ✅そもそも「デメリット」と誤解されやすい特徴
(無配当株=不利、売れないと思われがち など)
これらが一括りで語られるため、
必要以上に「デメリットが多い」と感じてしまうのが実態です。
そこで本記事では、
細かな注意点を並べるのではなく、
判断に直結する3つのポイントに整理して解説していきます。
新NISA最大のデメリット①|損益通算ができない
新NISAのデメリットとして、
もっとも本質的で、制度上どうしても避けられないものが
「損益通算ができない」という点です。
これは、新NISAが
課税口座とは根本的に仕組みが異なる制度であることに起因しています。
課税口座との決定的な違い
課税口座(特定口座・一般口座)では、
- ✅利益と損失を相殺する「損益通算」
- ✅損失を翌年以降に繰り越せる「繰越控除」
といった税務上の調整が可能です。
一方、新NISAでは、
- 利益は非課税
- その代わり、損失は税務上なかったものとして扱われる
という設計になっています。
つまり、
利益だけが優遇され、損失は一切フォローされない制度だということです。
損切り時に税務上の救済がない
新NISAで保有している銘柄を損切りした場合、
- ✅他の利益と相殺することはできない
- ✅翌年に損失を繰り越すこともできない
その損失は、
税務上、完全に“切り捨て”になります。
これは、
「非課税」というメリットの裏側にある、
新NISA特有の大きな制約です。
この損益通算不可という制約を踏まえたうえで、
新NISAでの正しい損切りの考え方については、
次の記事で詳しく整理しています。
新NISAのデメリット②|口座変更・やり直しが自由ではない
新NISAの2つ目の大きなデメリットは、
一度決めた新NISA口座を、あとから簡単に変えられない点です。
この特徴をひと言で表すなら、
👉 「新NISA口座は、最初の選び方がとても重要な制度」
と言えるでしょう。
1人1口座の原則
新NISAでは、
1人につき開設できる口座は1つだけと決められています。
そのため、
- ✅複数の金融機関で併用する
- ✅証券会社ごとに役割を分ける
といった運用はできません。
「とりあえずここで始めてみる」という感覚で選ぶと、
あとから不便さを感じる可能性があります。
金融機関の変更は年1回のみ
新NISAでは、
金融機関の変更は年に1回だけ可能です。
しかも、
- ✅変更手続きをしなければ自動では切り替わらない
- ✅変更できるタイミングも決まっている
という制約があります。
「使ってみて合わなかったから、すぐ別の証券会社へ」
というような、
気軽な乗り換えはできない仕組みです。
口座変更や「1人1口座」という制約については、
次の記事で、具体的な手続きや注意点を詳しく解説しています。
新NISAのデメリット③|無配当株は新NISAのデメリットなのか?
― 結論:条件付きでデメリットになり得る
新NISAの最大の特徴は、
「永久非課税」で、配当金や売却益を長期にわたって非課税で受け取れる点です。
この特徴だけを見ると、
「配当が出る株を長く持つほど有利な制度」
だと感じる人も多いでしょう。
では、
配当が出ない“無配当株”は、新NISAに向いていないのでしょうか?
結論から言うと、
無配当株は条件次第ではメリットにもデメリットになり得ます。
理由は、新NISAの制度設計と無配当株の特性が、
噛み合わない場面があるからです。
新NISAで無配当株がデメリットになり得る理由
制度上、注意すべき2つのポイントは以下の通りです。
無配当 × 損益通算不可
→ 失敗時の逃げ道がない
新NISAでは、
・他の口座との損益通算
・繰越控除
ができません。
つまり、
無配当株で含み損を抱えた場合
👉 税制面で取り返す手段が一切ない
これは、かなり重い制約です。
インカムゲイン(配当)による下支えがない
高配当株なら、
・株価が横ばい
・一時的に下落
しても、配当という「待つ理由」があります。
しかし無配当株は、
👉 上がらなければ、ただの含み損
精神的にも、戦略的にも、
耐える難易度は一気に上がります。
無配当株は新NISAに不向きなのか?
結論: 新NISAに不向き、ではない
ここが一番重要なポイントです。
無配当株が
「新NISAに向かない」のではなく、
・誰が
・どんな前提で
・どう使うか
この条件を無視すると、
デメリットが一気に表面化する
――それだけの話です。
むしろ条件が揃えば、
新NISA × 無配当グロース株は
最も税制メリットを活かせる組み合わせにもなり得ます。
無配当株が条件付きでデメリットになり得るとはいえ、
成長枠での活用次第ではメリットになるケースもあります。
具体的な投資戦略や、大化けを狙うグロース株との相性については、
次の記事で詳しく解説しています👇
まとめ
私自身の考えとしては、
新NISAで本当に注意すべきデメリットは、
損益通算ができない点だけだと感じています。
それ以外の制約は、
制度の仕組みを理解したうえで使えば、
事前に織り込める条件にすぎません。
重要なのは、
デメリットの有無を嘆くことではなく、
それにどう対処するかを考えることだと思います。




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