双日の社員が営業秘密を持ち出した事件について

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昨年夏に大手総合商社の双日に転職した30代の男性社員が、転職元の会社から営業秘密を持ち出した疑いで双日本社と社員の自宅が家宅捜索されました。この事件は、同じ業界で競合する2社の間にどんな影響を及ぼすのでしょうか?この記事では、事件の概要と営業秘密の意味、そして今後の展開について解説します。

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事件の概要

双日の男性社員は、昨年夏に転職元の会社から双日に移った際、営業秘密を持ち出した疑いがあります。営業秘密とは、転職元の会社が取引先や商品などに関する情報で、他社に知られると不利益を被るものです。男性社員は、転職前に自分のパソコンに営業秘密を含むデータをコピーし、双日に入社後もそのデータを利用していたとされます。

営業秘密とは

営業秘密とは、企業が自ら開発したり獲得したりした技術やノウハウなどの情報で、以下の3つの要件を満たすものです。

  1. 秘密管理性:情報が秘密として管理されていること
  2. 有用性:財やサービスの生産、販売、研究開発に役立つなど事業活動にとって有用な情報
  3. 非公知性:公然と知られていないこと
    営業秘密は、企業の競争力や創造性を高める重要な資産です。しかし、営業秘密は特許や商標などと違って登録制ではなく、法的な保護が弱いため、盗用や流出に対して対策が必要です。

不正競争防止法の罪

不正競争防止法違反による罰則として、民事上の措置と刑事上の措置があります。

不正競争防止法違反による民事上の措置として、差止請求、損害賠償、不当利得の返還請求、信用回復のための措置等があります。これらの措置は、裁判所での民事手続により救済されます。

不正競争防止法21条によれば、不正競争防止法違反による刑事上の罰則は、「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、またはこれを併科」することが規定されています。

今後の展開

この事件は、同じ業界で競合する双日と転職元の会社の間に大きな波紋を広げそうです。転職元の会社は、双日に対して損害賠償や営業活動の差し止めなどを求める可能性があります。

また、双日は、自社の信用やイメージを失う危険性があります。

さらに、この事件は他の企業にも影響を与えるかもしれません。転職市場では、営業秘密の管理や教育が重視されるようになり、転職する際の条件や審査が厳しくなったり、競合他社からの転職者に対する不信感や警戒心が高まったりする可能性がありますね。

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