宇宙・IT分野で注目されるispaceのIPO!月面開発事業が狙う宇宙資源と競合企業

衛星基地 IPO
衛星基地

どうも、ipo大好きsnowです。

今回は、宇宙・IT分野で注目されるispace(アイスペース)のIPOについてお話ししたいと思います。ispaceは、月面着陸機や月面探査機の開発と、それを用いた月面への貨物輸送サービスを行う企業です。2023年4月12日に東京証券取引所グロース市場に上場することが決定しました。

ispaceが目指す月面開発事業は、どんな可能性や課題を持っているのでしょうか?この記事では、ispaceが狙う宇宙資源と競合企業について解説していきます。宇宙・IT関連に興味のある投資家の方はぜひご覧ください。

スポンサーリンク

ispaceとは

ispaceは、2010年9月に設立された宇宙スタートアップです。月面着陸機や月面探査機の開発と、それを用いた月面への貨物輸送サービスを行っています。また、月面でのデータ収集や宇宙船開発なども提供しています。ispaceは、テクノロジー、ライフサイエンス、製薬、エンターテイメント、教育などの分野における顧客に対応しています。

ispaceは、「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界を目指す」というビジョンを掲げています。そのためには、宇宙に経済を築くことが必要だと考えていて、その第一歩として、月面で豊富に存在する水や鉱物資源などの宇宙資源開発に取り組んでいるようです。

ispaceは日本本社(東京)以外にもアメリカ支社(コロラド州)、ヨーロッパ支社(ルクセンブルク)、中国支社(北京)を持ちます。また、国際的なパートナーシップも積極的に展開しており、NASAやJAXAなどの政府機関や民間企業と協力しています。

月面開発事業が狙う宇宙資源

月面には、地球から持ち込むよりも現地で利用する方がコストやリスクを削減できる可能性があるさまざまな資源が存在し、これらの資源は加工可能な物質(揮発性物質や鉱物など)や地形(溶岩管など)に分類されます。これらの資源を利用することで、月面での居住や探査だけでなく、さらなる宇宙開発にも貢献できると考えられています。

月面で採掘できる可能性がある主な資源とは

  • 太陽光エネルギー:月面では夜間を除いて常に太陽光が当たります。太陽電池パネルや集光器などを用いて太陽光エネルギーを収集し、電力や熱エネルギーとして利用することができます。
  • 酸素:月面土壌(レゴリス)は約40%以上が酸素です。レゴリスを電気分解することで高純度の酸素を抽出することができます。酸素は呼吸用やロケット燃料用に利用することができます。
  • 金属:レゴリスには水素(H)、酸素(O)、珪素(Si)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)などの元素が含まれています。これらの元素から金属を抽出することも可能で、金属は建築材料や電子部品などに利用することができます。
  • :月面では極域や永久影領域に水氷が存在する可能性があります。水氷は液化して飲料水やロケット燃料に利用したり、電気分解して水素や酸素に分けたりすることができます。
  • ヘリウム3:月面では太陽風由来のヘリウム3 (^3He) が蓄積されています。ヘリウム3は核融合反応における理想的な燃料候補とされており、将来的に地球へ持ち帰ってエネルギー源として利用する可能性があります。

月面開発事業の競合企業

ispace以外にも、月面開発事業を行っている他の企業があります。代表的なものとしては、以下のものが挙げられます。

  • SpaceX:アメリカの宇宙輸送企業です。有人宇宙船や再使用可能なロケットなどを開発しており、NASAと協力して国際宇宙ステーションへの物資や乗組員の輸送を行っています。SpaceXは、2024年に有人で月面着陸することを目標としており、そのために巨大ロケット「スターシップ」を開発中です。SpaceXは、月面で資源やデータを収集するだけでなく、火星への移住計画にもつなげることを計画しています。
  • Blue Origin:アメリカの宇宙旅行企業です。再使用可能なロケットや有人宇宙船などを開発しており、2021年7月には創設者であるジェフ・ベゾス氏が自ら乗り込んで地球周回軌道外へ飛行しました。Blue Originは、「地球から離れた場所で生活する未来」を描いており その一環として月面基地やオービタルハビタットなども構想しています^.

日本の宇宙関連株

  • 三菱重工業(7011):H-IIAロケットやH3ロケットなどの開発・製造を行っています。
  • 日本航空電子工業(6807):宇宙用電子機器や通信システムなどを提供しています。
  • 日本酸素HD(4091):宇宙環境の試験装置や液体酸素・液体水素などを供給しています。
  • 日本アビオニクス(6946):宇宙向けプリント配線板やセンサーなどを製造しています。

他にも、衛星データプラットフォームのTellus(テルス)、小型衛星の開発・運用を行うSynspective(シンスペクティブ)、人工衛星打ち上げサービスを提供するInterstellar Technologies(インターステラテクノロジズ)などが注目されているようです。これらはまだ上場していませんが、将来的にはIPOする可能性もあるかもしれませんね。

ispace(アイスペース)業績

2020年3月期(10期・単体)において、売上高が約1億5,000万円、経常損失が約20億9,000万円、純損失が約21億円でした。

2021年3月期(11期・連結)においては、売上高が約2億4,000万円、経常損失が約32億6,000万円、純損失が約32億7,000万円でした。

2022年3月期(12期・連結)においては、売上高が約6億7,400万円、経常損失が約40億4,000万円、純損失が約40億6,000万円でした。そして、2023年3月期(13期・連結)においては、売上高が約22億円、経常損失が約93億円、純損失が約93億円となる見通しです。

2017年には日本最高額となる101.5億円の資金調達を行い、2023年4月12日に上場する際には約63.3億円の資金を得る予定です。

ispace(アイスペース)IPOについて

ispaceは、2023年4月12日に東京証券取引所グロース市場に新規上場する予定です。

  • 申し込み期間:2023年3月28日から2023年3月31日
  • 当選発表日:2023年4月3日
  • 想定価格:244円
  • 公募株数:24,699,700株(国内:19,935,200株、海外:4,764,500株)
  • 売出株数:(オーバーアロットメント含む):1,242,900株(国内)
  • 吸収金額:(想定価格で計算):63.3億円
  • 時価総額:(想定価格で計算):191.8億円
  • 主幹事証券会社:SMBC日興証券
  • 副幹事証券会社:SBI証券

ispaceのIPOに投資する魅力

ispaceは、月面着陸船や月面探査車の開発と、それを用いた月面への貨物輸送サービスを行う企業で、月面開発事業は、宇宙資源の利用や科学的探査など、様々な可能性と投資への魅力があります。

  • 宇宙開発という新規性と将来性の高い事業分野に参入している
  • 世界的な競合が少なく、技術力や顧客基盤が強みとなっている
  • 想定価格が244円と低位株であり、個人投資家にも手が届きやすい
  • IPO時価総額が未上場時評価額から大幅に下落しており、割安感がある

ただし、ispaceに投資するリスクも無視できません。

  • 赤字続きであり、黒字化の見通しが立っていない
  • ミッションの成功や受注状況に左右されるため、収益変動が大きい
  • 公募株数が多く荷もたれ感がある
  • 同日にトライアルホールディングス(5882)も上場予定であり、買い需要が分散される可能性がある

以上から、ispaceは長期的な成長性や将来性を重視した投資家向けであると言えます。

宇宙衛星

まとめ

宇宙服

ispaceのIPOは、公開株数が多く当選確率も高くなっています。公開株数が多いIPOは中々人気が出づらい傾向にありますが、想定価格244円なら私はIPOに当選しなくてもセカンダリで買いにいきます(笑)

宇宙スタートアップとして初めて上場することでなんと言っても夢があります(*‘ω‘ *)

スポンサーリンク

コメント