風説の流布とは?自分の主観や見解を書くときの注意点

株の知識

株式投資をするときに、インターネットやメディアで情報収集をすることは重要ですが、その中には虚偽や誇張されたものも含まれていることがあります。

そうした情報を流すことは「風説の流布」と呼ばれ、金融商品取引法で禁止されている行為です。風説の流布は、株価を不正に操作したり、投資家の判断を誤らせたりすることで、株式市場の健全性や信頼性を損ないます。

また、風説の流布をした者は、厳しい刑罰や追徴金に処される可能性があります。この記事では、風説の流布とは何か、どういう事例があるか、自分の主観や見解を書くときに注意すべきことについて解説します。

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風説の流布とは

株式投資において、風説の流布とは、株価を変動させる目的で、虚偽の情報を流すことです。インターネットやSNSを利用して、自分が保有する株が上がってほしいと思って、業績が良いとか、買収されるとか、そんな噂を流したりするのも風説の流布にあたります。

風説の流布は、投資家の判断を誤らせたり、公正な取引を妨害したりするため、金融商品取引法で禁止されています。違反した場合は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処される可能性があります。また、自分が得た利益も没収されることがあります。風説の流布は株式投資における重大な不正行為であり、自分自身も被害者や加害者にならないように気を付ける必要があります。

風説の流布の事例

風説の流布は、インターネットやSNSを利用することで、誰もが簡単に行うことができますが、それが原因で逮捕や告発された事例も少なくありません。ここでは、実際に処罰された風説の流布の事例をいくつか紹介します。

  • ライブドア事件:インターネット関連企業のライブドアの創業者である堀江貴文氏らが、自社の子会社がマネー系会社を買収すると虚偽の情報を公表し、株価を不正に吊り上げた事件です。堀江氏は懲役2年6カ月(実刑)の判決を受けました。
  • オー・エイチ・ティー事件:電子検査装置メーカーのオー・エイチ・ティーの役員が、自社株釣り上げ目的で虚偽の情報を流した容疑で逮捕された事件です。役員は懲役1年4カ月、執行猶予3年の判決を受けました。
  • 般若の会事件:「般若の会」の代表を名乗る人物が、自ら保有する銘柄の株式を高値で売却するため、インターネット上に虚偽の情報を書き込んだ事件です。人物は懲役2年6カ月(実刑)および追徴金の判決を受けました。

これらの事例からわかるように、風説の流布は重大な罪として取り締まられており、自分が保有する株が上がってほしいという気持ちから、業績や買収などに関する虚偽の情報を流すことは絶対にやめましょう。

こんな書き込みも風説の流布にあたる!

風説の流布と聞くと、明らかに嘘やデマを流すことをイメージするかもしれませんが、実はそうではありません。風説の流布には、明白に虚偽とは言えなくとも、合理的な根拠のない情報であれば罰せられるおそれがあります。つまり、自分の主観や見解を書くときにも、注意が必要なのです。ここでは、意外と知らない、風説の流布にあたる可能性の高い書き込みの例をいくつか紹介します。

  • 「この銘柄は業績がめっちゃいいみたい。買収されるかもしれないから買っておいた方がいいよ」
  • 「この銘柄は経営陣がダメダメ。倒産するかもしれないから売っておいた方がいいよ」
  • 「この銘柄は今日中に爆上げするらしい。情報源は内部者だから間違いないよ」

これらの書き込みは、根拠や出典が明示されておらず、事実と異なる可能性が高いです。また、株価を変動させる目的で書かれている場合もあります。これらの書き込みを見た投資家が、それに影響されて株式を売買した場合、公正な取引を妨害することになります。したがって、これらの書き込みは風説の流布にあたる可能性があるのです。

インターネットやSNSでは、様々な情報が飛び交っていますが、その中には風説の流布に該当するものも含まれています。自分が書くときには、事実や根拠を確認し、正確で公平な情報発信を心がけましょう。また、他人が書いた情報に対しても、疑ってかかり、自分で判断する能力を身につけましょう。

風説の流布をしないために

風説の流布は、株式投資における重大な不正行為であり、自分自身も被害者や加害者にならないように気を付ける必要があります。風説の流布をしないためには、以下のようなことに注意しましょう。

  • 情報発信する前に、事実や根拠を確認する。虚偽や不確かな情報は流さない。
  • 情報発信するときに、出典や引用元を明示する。自分の主観や見解は、事実と区別して表現する。
  • 情報発信する目的や動機を自問自答する。株価を変動させる目的で書くことは避ける。
  • 情報発信した後に、訂正や謝罪が必要な場合は、速やかに行う。誤った情報を拡散させない。
  • 情報発信することで、自分だけでなく他人や社会にも影響を与えることを意識する。情報発信者としての責任を果たす。

インターネットやSNSは、株式投資に役立つ情報源であると同時に、風説の流布の温床でもあります。自分が書くことや読むことに対して、常に批判的で慎重であることが大切です。

まとめ

本記事では、風説の流布とは何か、なぜ問題なのか、どんな罰則があるのかを簡潔に説明しました。

風説の流布は、株式投資において許されない行為であり、違反した場合は厳しい処罰が待っています。また、インターネットやSNSを利用することで、誰もが情報発信者になれますが、それゆえに情報発信者としての責任も負わなければなりません。

株式投資は、公正で健全で信頼できる市場で行われるべきです。そのためには、風説の流布をしないだけでなく、風説の流布に惑わされないことも大切です。自分の判断力や知識を高めて、正しい情報を得る努力をしましょう。

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