
個人向け国債の金利が上昇しています。
2026年2月募集分では、
変動10年の初回金利は年1.48%。
一方で、固定5年は年1.66%。
数字だけを見ると
「固定5年のほうが有利では?」
と感じた人も多いはずです。
ただし、日銀の利上げ局面では
比較すべきポイントは金利の“今”だけではありません。
2026年2月は「固定5年」の方が高金利ですが、今後のさらなる利上げを期待するなら「変動10年」が本命です。 本記事ではその理由と、1年後に乗り換える際の判断基準をわかりやすく解説します。
第1章|変動10年国債の最新金利(2026年2月募集)
📌 【2026年2月募集分】個人向け国債の最新金利動向(2月4日公表)
2026年2月募集分の金利が発表され、さらに上昇しています。
- 変動10年 第191回:年 1.48%(前回:1.39%)
- 固定5年 第179回:年 1.66%(前回:1.59%)
- 固定3年 第189回:年 1.39%(前回:1.30%)
2026年2月募集分(第191回)の個人向け国債「変動10年」の初回適用利率は、年1.48%(税引前)です。
この金利は、本日2026年2月4日に財務省より発表されました。
変動10年(第191回)の概要
- 初回の適用利率:年1.48%(税引前)
- 利率は半年ごとに見直し
- 適用利率の下限:年0.05%
- 利率は「基準金利 × 0.66」で算出
この「基準金利」は、
前営業日の10年固定利付国債の入札結果をもとに決まります。
今回の募集では、
直近の長期金利(10年国債利回り)が上昇したことを受け、
変動10年の初回金利も前回より引き上げられました。
「変動10年」の特徴
- 半年ごとに金利が見直しされ、受取利子が増減します。
- 算出式は「基準金利 × 0.66」ですが、年0.05%の最低金利保証があるため、それ以下にはなりません。
- 発行から1年経過後は、いつでも中途換金が可能
第2章|固定5年より低い利率の変動10年が再び注目?
普通に考えると、
「期間が長い(10年)国債のほうが、短い(5年)国債より金利が高い」
のが自然です。
しかし、個人向け国債では
独特の金利計算式によって、
この関係が逆転することがあります。
実際、2026年2月募集分では
- 固定5年:年1.66%
- 変動10年:年1.48%
と、変動10年のほうが利率は低くなっています。
それでも今、
あえて利率の低い「変動10年」を選ぶ人が増えている
のはなぜでしょうか。
その理由を整理します。
1. 将来の金利上昇についていける
固定5年国債は、
購入時の金利が5年間ずっと固定されます。
一方、変動10年国債は、
半年ごとに世の中の金利に合わせて利率が見直される仕組みです。
今後さらに日本の金利が上がると予想する場合、
「今の金利を固定する」よりも
「将来の上昇を追いかけられる」変動型のほうが、
トータルの受取利息が多くなる可能性があります。
2. 「0.66」という掛け算のマジック
個人向け国債の利率は、以下のように決まります。
- ✅固定5年:基準金利 − 0.05%
- ✅変動10年:基準金利 × 0.66
市場金利(基準金利)が低い局面では、
「引き算」の固定5年のほうが有利に見えがちです。
しかし、金利水準が上がってくると、
将来的には
「掛け算(0.66倍)」のほうが伸びやすくなる
と考えられます。
この違いが、
利上げ局面で変動10年が再評価されている理由の一つです。
3. 1年経てば「実質的な普通預金」のように使える
変動10年国債は、
発行から1年が経過すれば、いつでも中途換金が可能です
(※直近2回分の各利子相当額 × 0.79685 が差し引かれます)
そのため、
- とりあえず10年で持つ
- 金利がもっと良い商品が出たら乗り換える
といった、出口戦略の柔軟性があります。
「10年=完全に資金が縛られる」
というイメージほど、実際は重くありません。
【固定5年と変動10年の考え方の違い】
| 商品タイプ | 特徴 | 今のメリット |
|---|---|---|
| 固定5年 | 利率が確定 | 「今の高金利を5年間確保したい」人向け |
| 変動10年 | 半年ごとに見直し | 「将来もっと金利が上がる」と踏んでいる人向け |
👉ポイント:
現在のような「利上げ局面」では、目先の数%の差よりも、将来の追随性を重視して「とりあえず変動10年に入れておく」という投資判断をする人が増えています。
第3章|「今すぐ買う」か「様子を見る」か
「今すぐ買う」か、
それとも「もう少し金利が上がるまで待つ(様子を見る)」か。
これは国債投資で、最も悩ましいポイントです。
結論から言うと、
変動10年国債に関しては「様子見のメリットがあまり大きくない」
という性質があります。
1. 変動金利なので「後出しジャンケン」ができる
固定金利の場合、
購入後に金利が上がると
「もっと待てばよかった」と後悔しがちです。
一方、変動10年国債は、
購入後に世の中の金利が上がれば、
保有している国債の利率も自動的に追随します。
- 今すぐ買う
→ 今の金利(1.48%)を受け取りつつ、将来の上昇も取り込める - 様子を見る
→ その間の利息はゼロ、もしくは普通預金並み
将来の金利上昇を取りこぼしにくい仕組みのため、
無理にタイミングを計る必要性が低いのが特徴です。
2. 「待機コスト」の発生
「来月はもっと金利が上がるかも」と様子を見ている間、
資金は実質的に眠った状態になります。
例えば、
100万円を年1.48%で1か月運用すると、
税引前で約1,200円の利息が発生します。
仮に来月、金利が0.1%上がったとしても、
その差額を取り戻すには
数か月〜1年以上かかるケースもあります。
「今の金利」自体が十分に魅力的であれば、
早めに運用を始めるほうが合理的、
という考え方も成り立ちます。
3. どうしても迷うなら「時間分散(積立)」
それでも
「一度にまとめて買うのは不安」
という場合は、時間分散が有効です。
例:
- 今月:資金の1/3を購入
- 3か月後:さらに1/3を購入
- 半年後:残り1/3を購入
こうしておけば、
今後さらに金利が上昇した場合でも
「全部を低い金利で買ってしまった」という後悔を抑えつつ、
早い段階から利息を受け取り始めることができます。ます。
第4章|固定5年をすでに買った人はどう考える?
結論から言うと、固定5年を買った判断は間違っていません。
むしろ、金利上昇局面に入る前の「堅実な一手」だったと評価できます。
今後どう動くかを考えるために、次の3点を確認してみましょう。
1. 「確定した利益」を手に入れた強み
先月(2026年1月募集分)の固定5年国債の金利は 年1.59% でした。
これは、
- 今後もし景気後退で金利が下がっても
- 日銀が利上げを止めても
5年間、1.59%が保証される という意味です。
一方で、変動10年国債は金利上昇の恩恵を受けられる反面、
将来金利が下がれば、利率も連動して下がります。
つまりあなたはすでに、
👉 「どんな相場でも崩れにくい守りの資産」
を1つ確保できている状態です。
2. 「1年後」に乗り換えという選択肢がある
個人向け国債は、種類を問わず 発行から1年経てば中途換金が可能 です。
そのため、次のような戦略が取れます。
- まずは固定5年を1年間保有して利息を受け取る
- 1年後、もし
- 変動10年の金利が大きく上がっている
- 金利差が明確に開いている
なら、固定5年を解約して乗り換える
※解約時には「直近2回分の利息相当額」が差し引かれますが、
金利差が十分にあれば、長期的には回収可能です。
👉 「今決めきらなくていい」
これが個人向け国債の最大の安心材料です。
3. 「分散投資」の結果と考える
投資の基本は
一度に、1つのシナリオに全額を賭けないこと。
今のあなたの状態は、
- 固定5年国債:安定・守りの枠
- これから検討する変動10年国債:金利上昇期待の枠
という、非常にバランスの良い組み合わせです。
金利が
- 上がっても → 変動がカバー
- 下がっても → 固定がカバー
どちらに転んでも「後悔しにくい」構造になっています。ートフォリオになります。
結論:
すでに購入した固定5年国債は、
👉 そのまま「守りの資産」として保有 でOK。
もし追加で投資できる余力があるなら、
今月募集の 変動10年国債を少し買い足してミックス する。
これが、
- 判断を急ぎすぎず
- 金利上昇も取り逃がしにくい
精神的にも、運用的にも一番スッキリする選択 です。
固定5年を買ったあとに「1年後どう判断すべきか?」を、金利差・解約コストの観点から詳しくまとめたのがこちらです。
👉 2026年最新|固定5年国債は「1年後」に見直す?日銀利上げ時代の解約・買い直し判断基準
結論|変動10年 vs 固定5年どちらが有利?
結論|変動10年 vs 固定5年どちらが有利?
「結局のところ、どっちが正解なの?」と迷ってしまいますよね。
現在の日本は金利が上昇局面にあるため、多くのアナリストや投資家は
「今から新規で買うなら変動10年が合理的」
と判断するケースが増えています。
その理由を、判断の決定打になるポイントで比較してみましょう。
【徹底比較】変動10年 vs 固定5年
| 比較ポイント | 変動10年(今月の本命) | 固定5年(先月購入分) |
|---|---|---|
| 今の利率 | 1.48% | 1.66% |
| 金利上昇への対応 | ◎ 半年ごとに追随 | × 変わらない |
| 金利低下への対応 | △ 利率が下がる | ◎ 高金利を維持 |
| 向いている人 | 「金利はまだ上がる」と考える人 | 「今がピーク」と考える人 |
| 最大の安心感 | 常に“その時点の相場”に近い | 5年間の利息が完全に確定 |
結局、どちらが「有利」になるのか?
結論から言うと、「今後5年〜10年の間に、日本の金利が今よりさらに上がるかどうか」で決まります。
- 「変動10年」が圧倒的に有利なケース
- 日銀が今後も段階的に利上げを行う
- 長期金利が高止まり、またはさらに上昇する
→ 半年ごとに利率が更新されるため、トータル利息で固定5年を上回りやすい
- 「固定5年」が有利なケース
- 景気が急減速し、日銀が利下げに転じる
- 金利が数年で再び低下する
→ 周囲の金利が下がっても、購入時の高金利を守り切れる
今すぐできる「後悔しないための考え方」
今の迷いを解消するおすすめの戦略は以下の通りです。
- 「追加資金」があるなら「変動10年」へ
もし手元にまだ余裕資金があるなら、今月は「変動10年」を買ってください。これで「固定」と「変動」の両方を持つことになり、金利が上がっても下がっても対応できる最強の構えになります。 - 追加資金がないなら「1年待機」
すでに買った固定5年は、1年経てば解約して変動10年に乗り換えられます。その時の金利状況を見て、変動の方が圧倒的に高ければ、そこでスイッチすればOKです。
本音アドバイス:
現在の日本の状況では、物価も上がっており、金利もまだ上がる余地があるという見方が強いです。そのため、「今から新しく買うなら、迷わず変動10年」というのが、最も効率的で後悔の少ない選択と言えます。



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