富士通が新中期経営計画を発表しました。その中で注目されるのが、株主還元の大幅な拡大です。今後3年間で、なんと総額6000億円の株主還元を実施するというのです。これは、前回の中期経営計画で実施した3500億円から約70%も増えるという驚きの数字です。
富士通は、どのようにして株主還元を増やすのでしょうか?また、事業成長や財務目標にも影響はあるのでしょうか?この記事では、富士通の新中期経営計画について詳しく解説します。
株主還元の内容
富士通が実施する株主還元の内容は、配当と自己株取得の2つに分かれます。
配当に関しては、毎年増配する予定です。これは、利益成長に対応しながら、安定的かつ着実な増配を目指すという方針を示しています。
自己株取得に関しては、財務基盤や資本効率を見極めて機動的に実施するとしています。富士通は株主還元を大幅に拡大することで、株主への利益還元を重視する姿勢を示しています。
事業成長への取り組み
富士通は、事業成長に向けた投資計画として、今後3年間で7000億円を投じる予定です。そのうち、5000億円は事業ポートフォリオの変革に充てられます。具体的には、デジタルやクラウドサービスの強化や、グローバル展開の加速などが挙げられます。
デジタルやクラウドサービスでは、お客様拠点でパブリッククラウドと同等の機能を持つオンプレミスクラウド事業を強化したり、アプリケーションを迅速に開発し柔軟に変更できるアプリケーションプラットフォーム機能を提供するクラウドサービスを開始したりするなど、DXを支えるサービスの充実を図っています。
グローバル展開では、欧州や米国などの先進市場だけでなく、インドや中国などの新興市場にも積極的に進出し、グローバルな競争力を高めています。これらの取り組みにより、富士通は、事業成長への基盤を強化していくようです。
財務目標と株価動向
富士通は、25年度の財務目標として、売上収益4兆2000億円、営業利益5000億円、営業利益率11.9%、ROE(自己資本利益率)15%を掲げています。これは、22年度の実績(売上収益3兆7000億円、営業利益3200億円、営業利益率8.6%、ROE11.7%)に比べて、大幅な成長を目指すものです。
株価に関しては、レンジ内での相場が続いていますが、今後はDX需要の高まりや株主還元の拡大などを受けて、株価は上昇する可能性が高いと見ています。
まとめ
富士通は、株主還元と事業成長の両立を目指しています。これらの取り組みは、富士通がDXを支えるリーディングカンパニーとして、グローバルな競争力を高めるためのものです。
富士通は、今後もイノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくというパーパスに基づいて、株主・投資家の皆様にとって魅力的な企業であり続けて欲しいものです。
コメント