
マルゼン(5982)という企業名を見て、 「食品メーカー?」と感じる人もいるかもしれません。実際にはマルゼンは金属製品に分類される業務用厨房機器メーカーで、外食店や給食施設向けの厨房設備を主力とするBtoB企業です。
業務用厨房分野では大手の一角を占め、特に外食チェーン向けに強みを持つ点が特徴です。派手な話題性はありませんが、事業内容は非常に地に足がついています。
マルゼンはスタンダード市場に上場する企業らしく、堅実な成長を続けるタイプです。
株式市場では、
- ✅割安に放置されやすい
- ✅安定した配当を出しやすい
- ✅緩やかな成長が続く
といった評価を受けやすい要素を備えています。
本記事では、イメージや話題性ではなく、決算数字と事業構造から「マルゼンは成長株と呼べるのか」を冷静に検証していきます。
マルゼンの事業概要|何で稼いでいる会社?
マルゼン(5982)は、業務用厨房機器の製造・販売を主軸とする総合メーカーです。
マルゼンは主に以下の製品を展開しています。
- ✅業務用ガス・電気調理機器
- ✅冷蔵・冷凍機器
- ✅食器洗浄機
- ✅厨房設備の設計・施工
最大の特徴は、個人向けではなく完全にBtoBである点です。ラーメン店、チェーン飲食、給食センター、病院など、 「厨房が必要な場所」すべてが顧客対象になります。
この事業構造から、マルゼンには次のような性格があります。
- 流行やブームに左右されにくい
- 一方で、急激な売上拡大は起こりにくい
いわゆる、典型的な設備関連企業のポジションです。
つまり、マルゼンは「プロの厨房に必要な機器を企画・製造・販売し、その後もメンテナンスして稼ぐ」、厨房のスペシャリスト企業だと言えるでしょう。
マルゼンの投資の魅力は?
マルゼン(5982)の投資の主な魅力は、 安定した事業基盤を背景に、配当と株主優待によるインカムゲインが期待できる点です。
業界内での確固たる地位と堅実な経営により、 中長期で「持ち続けやすい銘柄」として評価しやすい企業です。
魅力① 安定した業績と業界での地位
堅調な業務用厨房市場
- コンサルティング
- 厨房設計
- 製造・施工
- 導入後のアフターケア
までをワンストップで提供できる点が強みとなっています。
厨房設備は一度導入すると長期にわたって使われるため、 設計からアフターケアまで任せられる企業は選ばれやすく、 安定した受注につながりやすい事業構造です。
高い競争力
マルゼンは単なる機器メーカーではなく、 厨房機器の総合メーカーとしてのポジションを築いています。
- 高付加価値製品の開発
- 現場ニーズを反映した迅速な製品改良
- 複数機器を組み合わせた提案力
といった点が、競争力の源泉です。
この総合力が、 価格競争に陥りにくい事業構造を支えています。
インバウンド需要の恩恵
2026年2月期第3四半期時点で、インバウンド需要の増加や外食チェーンの出店増により、増収増益の堅調な決算を出している。
魅力② インカムゲインの魅力(株主優待と配当)
マルゼンは、 株主優待と配当の両面からインカムゲインを得やすい銘柄です。
株主優待
株主は年2回(2月末日・8月末日)実施され、
- 300株以上:QUOカード 1,000円分(年間2,000円)
- 1,000株以上:ジェフグルメカード 3,000円分(年間6,000円)
が進呈されます。
配当
マルゼン(5982)の2026年2月期の年間配当予想は1株当たり115円、予想配当利回りは約3.1%と、 インカム狙いの投資家にとって魅力的な水準です。
詳細な配当情報は以下の通りです(2026年2月4日現在)
- 配当の傾向: 過去10年間で増加傾向
- 1株当たり配当金(予想): 115.00円
- 配当性向: 39.1%(2025年2月期実績)
と、無理のない範囲で株主還元を続けている点も評価できます。
魅力③ 将来的な成長期待と割安感
マルゼンの成長ドライバーとしては、
- ワンストップ体制の深化
- 高機能・高付加価値厨房の提案
- 省エネ・自動化ニーズへの対応
といった「成長の3エンジン」が挙げられます。
一方で、スタンダード市場の中小型株であることから、事業規模や業界地位の割に、株価評価が控えめという見方が成り立つ局面もあります。
業績の積み上げが続けば、 割安感の是正が進む余地は十分に考えられるでしょう。
マルゼンの口コミ・評判を調べてみた|業務用厨房メーカーのリアルな評価
1. 職場の雰囲気・企業体質
伝統的な日本企業
- 社風は堅実でやや古風
- トップダウン色が強いという声が多い
技術力・製品力への評価
- 業務用厨房機器の総合メーカーとして、業界内での知名度と信頼は高い
- 製品の安定性・耐久性には定評がある
👉 投資目線の読み替え
急成長ベンチャー的な柔軟さはない一方で、
「品質重視・堅実経営」という姿勢が、安定受注・リピートにつながっている可能性が高い。
2. ワークライフバランス・労働環境
長時間労働の指摘
- 営業職・サービス職では、顧客対応や機器トラブル対応により残業が発生しやすい
土日・夜間対応
- 飲食店や施設相手のため、土日や夜間の緊急対応が必要なケースも
- 休日でも現場からの電話対応があるという声
👉 投資目線の読み替え
24時間稼働の外食・給食業界を支えるビジネスモデル上、
「人が動いて稼ぐ」色が強い=人件費・労務負荷は構造的な課題。
一方で、
✔︎ それだけ顧客との距離が近い
✔︎ アフターサービスが収益源になっている
とも言える。
3. やりがい・成長性
専門性の高さ
- 厨房設計や設備に関する専門知識が身につく
- 「厨房のプロ」としてのスキルが磨ける環境
仕事の幅
- コンサルティング
- 設計
- 施工
- 導入後のアフターケア
まで一貫して関われる
👉 投資目線の読み替え
この「幅広さ」は、
✔︎ ワンストップ体制
✔︎ 他社との差別化
✔︎ 価格競争に陥りにくい構造
という点で、第2章の事業の強みと整合的。
4. 年収・給与制度
- 平均年収は 約646万円(2025年時点)
- 業界平均と比べても一定の水準
- 営業成績が賞与に反映される一方、年功序列的な側面も残る
👉 投資目線の読み替え
高給で急拡大する企業ではないが、
「安定収益 → 安定給与 → 人材定着」という循環が成立しやすい。
総合評価(口コミから見える姿)
マルゼンは、
- 業務用厨房機器メーカーとしての強固な事業基盤
- 製品・サービスへの現場からの信頼
- 一方で、営業・現場職の負荷が高めという課題
を併せ持つ企業です。
口コミから見える姿は、
✔︎ 「派手さはない」
✔︎ 「地味だが必要とされ続ける」
というもので、
配当・優待を受け取りながら持ち続ける銘柄像と違和感はありません。
実践編|ざっくりマルゼンのファンダメンタル分析
2026年の訪日需要は、訪日外国人旅行者数4,140万人(前年比97.2%)、消費額9.64兆円(前年比100.6%)と予測されています。
伸び率は低下すると見られるものの、消費額は高水準を維持する見通しです。
インバウンド需要が拡大すれば、宿泊・小売と並んで恩恵を受けやすいのが外食産業です。
その外食産業の厨房設備に強みを持つマルゼンの業績も、こうした流れの中で期待できるのではないでしょうか。
こうした「社会の流れが、どの業種・企業にどう影響するのか」を整理するのがファンダメンタル分析です。
考え方そのものを知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
1. 2026年2月期 第3四半期(3〜11月)の業績分析
2026年1月9日に発表された第3四半期決算は、非常に堅調な内容でした。
- 売上高:505億5,200万円(前年同期比 +4.4%)
- 営業利益:49億200万円(同 +2.7%)
- 経常利益:54億4,100万円(同 +4.7%)
- 純利益:38億円(同 +6.6%)
【分析】
原材料費や人件費の高騰が続く中でも、主力である業務用厨房機器(熱機器など)の販売が堅調に推移し、増収効果によってコスト増を吸収。
加えて、パン店向けなどの大型製パン機械部門も業績に貢献し、着実な増益を確保しました。
2. 通期業績見通し(2026年2月期予想)
同社は第3四半期決算発表時に、2026年2月期の通期業績予想を据え置いています。
- 経常利益:67億5,000万円(前年比 +1.4%)を予想
【分析】
高水準の業績予想を維持している点から、期末に向けても受注環境は安定していると考えられます。
インバウンド需要を背景に、外食・食品関連の設備投資需要は引き続き底堅い状況です。
3. 財務面・配当・指標(2026年2月4日時点)
- 株価:3,755円(2026年2月3日終値)
- PER(予想):約12.0倍
- 予想配当利回り:約3.37%
一部のAI診断では、直近の株価上昇を受けて「やや割高」との評価も見られますが、業績の安定性を考慮すれば妥当〜許容範囲といえる水準です。
【分析】
配当利回りは3%台と比較的魅力的で、配当方針は業績連動型。
営業キャッシュフローが安定していれば、配当の持続性も高いと評価できます。
4. リスク要因・今後の注目点
- 人件費・原材料価格の高騰
金属製品を中心とした原材料価格や人件費の上昇が続いた場合、粗利率を圧迫する可能性があります。 - 外食需要の動向
インバウンド需要の鈍化や、外食チェーンの設備投資計画が冷え込めば、受注環境に影響が出る可能性があります。 - 株価の推移
2026年1月以降は3,700円〜3,800円台で推移しており、業績の先行きを織り込んだ堅調な値動きが続いています。
まとめ
マルゼン(5982)は、業務用厨房機器業界における堅実なリーダー企業として、安定した成長を続けています。
インバウンド需要という追い風に加え、外食産業向け設備投資の底堅さ、そして配当・株主優待によるインカムゲインの魅力を兼ね備えた銘柄です。
急成長株ではありませんが、
「業績の安定性」「配当の継続性」「事業の分かりやすさ」を重視する投資家にとって、2026年2月時点では中長期で保有しやすい堅実銘柄と評価できるでしょう。


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