
NISAが始まった頃、
「1人1口座」というルールをよく知らないまま、
なんとなく証券会社を選んで口座を作ってしまった。
あとから新NISAについて調べるうちに、
「この証券会社のままで本当にいいのか?」
「今から口座変更はできるの?」
と不安になった人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、
新NISAは“口座変更”も“解約”も可能です。
ただし、新NISAには
「1人1口座」という特有のルールがあり、
この仕組みを誤解したままだと、
「もう変更できない」「詰んだ」と思い込んでしまいがちです。
この記事では、
新NISAの「口座解約」と「口座変更」に焦点を絞り、
初心者がつまずきやすいポイントを制度ベースでわかりやすく整理します。
「最初に選んだ証券会社が失敗だったかも…」と感じている方は、
ぜひ最後まで読んでみてください。
① 新NISAの「解約」には2つの意味がある
新NISAで言われる「解約」には、実は2つの意味があります。
まずは意味の違いを整理しておきましょう。
① 保有商品の売却(現金化)
新NISA口座で保有している
投資信託や株式を売ることを指して、
「解約」と表現されるケースがあります。
これは単に、
- ✅投資信託を売却する
- ✅株式を売って現金化する
という通常の売買行為です。
重要なのは、
制度上、これはNISAの「解約」ではないという点。
商品を売却しても、
- ✅新NISA口座はそのまま残る
- ✅口座自体をやめたことにはならない
という扱いになります。
② 新NISA口座そのものの廃止・変更
もうひとつの「解約」が、
新NISA口座そのものを廃止することです。
こちらは、
- ✅新NISA口座を今後使わない
- ✅別の金融機関に口座変更(乗り換え)したい
といった場合に行う手続きです。
つまり、
- 今の金融機関で
👉 新NISA口座を「廃止」 - その後、別の金融機関で
👉 新しく新NISA口座を開設
という流れになります。
本記事で扱う「解約」とは、
この「口座そのものの廃止・変更」を指します。
② 新NISA口座は解約(廃止)できる?
結論:新NISA口座は解約(廃止)できます。
「1人1口座だから、いったん作ったら一生そのままなのでは?」
と不安に思う人も多いですが、
新NISA口座をやめること自体は可能です。
ただし、解約(廃止)には
いくつか知っておくべきポイントがあります。
新NISA口座は「放置」も「完全廃止」もできる
新NISA口座の扱いは、大きく分けて次の2つです。
- ✅何もせずに放置する(口座管理手数料はかかりません)
→ 新しい買い付けを行わず、口座を使わない状態
→ 手続き不要で、そのまま保有し続けることも可能 - ✅口座そのものを完全に廃止する
→ 金融機関に申請して、新NISA口座を終了させる
→ 他社へ口座変更したい場合は、この廃止手続きが必要
「使わない=自動的に解約される」
ということはないため、
完全にやめたい場合は、必ず手続きが必要です。
勘違いしやすい注意点|別口座で口座を開設する場合
新NISA口座を
「今後使わない」という理由で廃止するだけであれば、
非課税枠について特に意識する必要はありません。
一方で、
別の金融機関で新NISA口座を開設し直したい
(=口座変更・乗り換え)場合には注意が必要です。
たとえば、
- その年に新NISAで買い付けを行った
- その後、口座を廃止して別の金融機関に変更したい
この場合でも、
その年に使った非課税投資枠がリセットされることはありません。
つまり、
- ❌ 年の途中でやり直すことはできない
- ⭕ 翌年になれば、新しい非課税枠で再スタートできる
という仕組みです。
③ 新NISAは他の金融機関へいつでも変更できる?
結論:❌ いつでも変更できるわけではありません。
変更できる条件:
①年内未買付であること
②9月末までに手続きすること
新NISAの口座変更(乗り換え)は、
1年に1回のみという明確な制限があります。
さらに、その年に買い付けを行ったかどうかで、
変更できるタイミングが変わります。
乗り換え手続きのタイミング【年1回の制限】
新NISAの口座変更には、以下のルールが適用されます。
① その年に一度も買い付けを行っていない場合
たとえば、2026年中に新NISAで一度も買い付けをしていない場合は、
- 2026年9月30日(水)までに
現在の金融機関で
新NISA口座の廃止手続きを完了させれば、 - 2026年分から
新しい金融機関で新NISAを利用できます。
👉
「まだ使っていない年」であれば、
年の途中でも口座変更が可能です。
② その年に一度でも買い付けを行った場合
一方で、2026年中に一度でも新NISAで買い付けを行った場合は、
- 2026年中の口座変更は不可
- 変更できるのは
2027年分から
となります。
この場合、
- 口座変更の手続き受付は
2026年10月1日(木)以降に開始され、 - 実際に新しい金融機関でNISAを使えるのは
翌年(2027年)から
という流れになります。
なぜこんな制限があるのか?
このようなルールがある理由は、
新NISAが「1人1口座」を厳格に管理する制度だからです。
- 同じ年に
複数の金融機関でNISAを使うことを防ぐ - 非課税枠の二重使用を防止する
そのため、
「買い付けをした年は、その金融機関で最後まで使う」
という仕組みになっています。
④ 口座を閉じる(廃止)際の手順|他社へ乗り換える場合
新NISAで他の金融機関へ乗り換えたい場合、
単なる「口座解約」ではなく、
「金融機関変更」の手続きを行う必要があります。
これは
「今の口座をやめて、新しい口座を作る」
というセットの手続きです。
手順① 現在の金融機関で「新NISA口座の廃止手続き」を行う
まず、現在利用している金融機関に連絡し、
NISA口座の廃止手続きを行います。
この際、
- 「金融商品取引業者等変更届出書」などの書類を提出
- 手続き完了後、
「非課税口座廃止通知書」
または
「勘定廃止通知書」
が発行されます
👉
名前は難しく見えますが、
「次の金融機関に提出する証明書」だと思えばOKです。
手順② 新しい金融機関で新NISA口座を申し込む
次に、利用したい金融機関で
新NISA口座の開設申込を行います。
- 申込時に
「非課税口座廃止通知書」を提出 - 税務署確認を経て、口座開設が完了
👉 これで、翌年以降の新NISAを新しい金融機関で利用可能になります。
⑤ 新NISA口座を他社へ乗り換える際の注意点【重要】
新NISAの金融機関変更は可能ですが、
手間・制限・機会損失が発生する点は事前に理解しておく必要があります。
特に重要な注意点は、次の4つです。
注意点① 保有商品は移管できない(売却が必要)
新NISAでは、
変更前の金融機関で保有している商品を、新しい金融機関へ移すことはできません。
選択肢は2つだけです。
- ① 旧口座でそのまま保有し続ける
- 非課税保有は継続
- ただし、その口座では新規買付は不可
- ② 売却して現金化し、新口座で買い直す
- 価格変動・売買手数料に注意が必要
👉
「口座変更=商品も一緒に引っ越し」ではない点が
最大の勘違いポイントです。
注意点② 手続きできる期間が決まっている
新NISAの金融機関変更は、
いつでもできるわけではありません。
- 手続き可能期間
👉 前年10月1日 ~ 当年9月30日
例:
- 2026年分から変更したい場合
→ 2025年10月1日~2026年9月30日までに手続き完了が必要
👉
この期間を過ぎると、翌年扱いになります。
注意点③ 手続き中は新NISAで買付できない
金融機関変更の手続き中は、
- どの金融機関でも
新NISAでの新規買付が一時的に停止 - 手続き完了まで
1か月前後かかるケースもある
👉
相場状況によっては、
投資機会を逃すリスク(機会損失)があります。
注意点④ 年内に一度でも買付していると変更不可
最も重要な制限がこれです。
- 変更したい年の 1月1日以降
- 新NISA口座で
一度でも買付を行っている場合
👉
その年の金融機関変更は不可
→ 変更できるのは翌年分から
※ 売却は関係ありません
※ 判断基準は「買付をしたかどうか」のみ
※分配金の再投資や自動積立も『買付』に含まれるので注意!
⑥ 新NISAを重複開設したらどうなる?
結論:新NISAは重複開設できない(制度上ブロックされる)
新NISAは 1人1口座(1金融機関)のみ利用できる制度です。
そのため、複数の金融機関で同時に申し込んだとしても、
重複して新NISA口座が開設されることはありません。
新NISAの口座開設は税務署で一元管理されており、
実際に有効となるのは 1社のみです。
複数の金融機関に申し込んだ場合の扱い
- 同時申込をしても
最初に有効化された1口座のみが新NISA口座として成立 - それ以外の申込は
開設不可・申込却下・未成立扱いとなります
👉
利用者側に 罰則やペナルティは一切ありません。
⑦ まとめ|新NISAは「解約・変更もできるが自由ではない」
- ✅新NISAの 解約・変更は可能
- ✅ただし 年1回の変更制限がある
- ✅重複開設は制度上できない
新NISA口座の解約や口座変更は可能ですが、
手続きには一定の手間やタイミングの制約があります。
これから新NISA口座を開設する方は、
どの金融機関で始めるか慎重に検討することをおすすめします。
新NISAは「1人1口座」という制約があるため、
解約や口座変更も慎重に考える必要があります。
また、損切りや損益通算ができない点について詳しくは、こちらの記事で解説しています。
👉 新NISAの「損切り」はどう考える?損益通算できない最大のデメリットと正しい対策(1/24公開)


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