原油価格の急落がもたらす企業のメリットとデメリット

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世界経済に大きな影響を与える原油価格が、現在、原油価格は70ドルを割り込む水準まで下落しています。原油はエネルギー資源として広く使用されており、その価格変動は企業にとって重要な要素となります。しかし、原油価格の急落は企業にとってメリットとデメリットの両方をもたらします。本記事では、原油価格の急落が企業にもたらすメリットとデメリットについて探っていきます。

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原油価格の急落とは

原油価格の急落は、市場における供給と需要のバランスの変化によって引き起こされます。これには、地政学的な要因、天候の変化、経済成長の鈍化などが含まれます。

原油価格の急落は、通常、供給過剰や需要減退などの要因によって引き起こされます。供給過剰は、産油国が増産を行ったり、新たな供給源が開発されたりすることによって生じることがあります。一方、需要減退は、経済の減速やエネルギー効率の向上などによって引き起こされることがあります。これらの要因が重なると、市場における原油の供給量が需要を上回る状況が生まれ、原油価格の急落が起こるのです。

原油価格に左右される銘柄

  • 石油開発・採掘:INPEX(1605)、石油資源開発(1662)など
  • 石油精製・販売:ENEOS(5020)、出光興産(5019)、コスモエネルギーホールディングス(5021)など
  • 石油プラント:日揮ホールディングス(1963)、東洋エンジニアリング(6330)、千代田化工建設(6366)など
  • 化学品:三菱ケミカルホールディングス(4188)、住友化学(4005)、三井化学(4183)など
  • ゴム製品:ブリヂストン(5108)、住友ゴム工業(5110)、横浜ゴム(5101)など

原油価格が下落でメリットを受ける企業

原油価格の下落が収益やコストに影響する仕組みについては、燃料代が減少することでコストが削減され、利益率が向上するということです。 ただし、原油価格の変動は他の要因によっても影響を受けるため、必ずしも一様に収益やコストに反映されるわけではありません。

原油価格の下落がプラスに働く業種や企業としては、原油を輸入・販売する企業や、原油を原料とする化学品やゴム製品を製造・販売する企業などがあります。これらの企業は、原油価格の下落によって原材料費が安くなり、利益率が改善される可能性があります。

例えば、ENEOS(5020)出光興産(5019)などの石油精製・販売企業は、原油価格の下落によって仕入れコストが低下し、精製マージンが拡大することで収益が増えると期待されます。


また、三菱ケミカルホールディングス(4188)住友化学(4005)などの化学品メーカーや、ブリヂストン(5108)や住友ゴム工業(5110)などのゴム製品メーカーも、原油価格の下落によってナフサやゴムなどの原料費が安くなり、コスト競争力が高まると見込まれます。

原油価格の下落は、燃料代が下がることで、陸運や空運などの運輸業にとっても有利です。 企業例としては、日本通運(9062)ANAホールディングス(9202)などが挙げられます。

また、原油価格の下落は、ガソリン価格の下落につながり、自動車の需要を高める可能性があります。 そのため、自動車メーカーや自動車部品メーカーにもプラスに働くと考えられます。 企業例としては、トヨタ自動車(7203)デンソー(6902)などが挙げられます。

原油価格が下落でデメリットを受ける企業

原油価格の下落がマイナスに働く業種や企業としては、原油を生産・輸出する企業や、原油価格に連動するガスや石炭などのエネルギー資源を扱う企業などがあります。これらの企業は、原油価格の下落によって売上や利益が減少する可能性があります。

例えば、INPEX(1605)石油資源開発(1662)などの石油開発・生産企業は、原油価格の下落によって採算性が悪化し、資産減損や投資計画の見直しなどの対応が必要になると見られます。

また、東京ガス(9531)や大阪ガス(9532)などの都市ガスメーカーや、電力各社も、原油価格の下落によってLNG(液化天然ガス)や石炭などの輸入価格が低下し、電気料金やガス料金が値下げされることで収益が減ると予想されます。

まとめ

原油価格の急落は、企業にとってメリットとデメリットの両方をもたらす要素です。低コストでの生産や消費者への価格低下といったメリットが存在する一方で、エネルギー企業への影響やエネルギー転換への圧力の減少といったデメリットもあります。

原油価格をみながら、こういった企業の株価がどう動くのかチェックしてみると、また投資への知識が深まってくると思います。

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