三菱電機の株価は高値圏でも割安?売上高目標引き上げでPERが低下、今後の成長戦略に期待!

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三菱電機(6503)は、2026年3月期の売上高目標を5兆円超に引き上げたと発表しました。DX支援や防衛・宇宙事業などで成長を見込んでおり、新中期経営計画で示した4兆8000億円から2000億円以上増やしています。三菱電機の株価は高値圏でも割安なのか。今後の成長戦略に期待は持てるのか。本記事では、三菱電機の業績と株価について分析する。

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売上高目標引き上げの背景

三菱電機は、2026年3月期の売上高目標を5兆円超とすることを発表した。これは、中期経営計画で示した4兆8000億円から2000億円以上増やしたものですが、売上高目標の引き上げの背景には、DX支援や防衛・宇宙事業などで成長を見込んでいるようです。

DX支援

DX支援とは、デジタル技術を活用して企業の業務やサービスを変革することです。三菱電機は、FA(工場自動化)システムやパワー半導体などの製品を提供するとともに、顧客から得たデータを活用して新たな製品・サービスの創出につなげる「循環型デジタル・エンジニアリング企業」を目指していて、FA事業は26年3月期の営業利益率目標を20%と従来計画(17%)から上方修正しています。

防衛・宇宙事業

防衛・宇宙事業は、防衛予算の増額などが追い風となり、約1000人の人員増強や700億円の設備投資を計画しています。26年3月期の売上高目標を4000億円と、従来計画から1000億円引き上げたて、契約の見直しなどを進め営業利益率5%を目指すようです。

株価は高値圏でも割安か?

三菱電機の株価は、30日の終値で1831.5円の高値圏に位置しています。株価の評価水準は高値圏でも割安と言えるだろうか。ここでは、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標で他社と比較し、株価の評価水準を分析してみよう。

PERは、株価を1株当たり利益(EPS)で割ったもので、株価が利益に対してどれだけ割高か割安かを示す指標です。PERが低ければ低いほど割安と言える。三菱電機の予想PERは14.8倍。これは、同業他社の平均(17.8倍)や東証一部全体の平均(16.8倍)よりも低い水準である。また、過去10年間の自社の平均(15.3倍)よりも低いことからも、割安と言えるだろう。

PBRは、株価を1株当たり純資産(BPS)で割ったもので、株価が純資産に対してどれだけ割高か割安かを示す指標です。PBRが1倍以下であれば割安と言える。三菱電機のPBRは1.19倍。これは、同業他社の平均(1.33倍)や東証一部全体の平均(1.41倍)よりも低い水準で、過去10年間の自社の平均(1.29倍2)よりも低いことからも、やや割安と言えるだろう。

以上のように、PERやPBRなどの指標で他社と比較すると、三菱電機の株価は高値圏でも割安と言える。しかし、これらの指標は過去や予想に基づくものであり、将来的な業績や成長性を反映していない可能性もあります。

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今後の成長戦略に期待

三菱電機は、2025年度を最終年度とする中期経営計画で、空調冷熱システム事業は重点成長事業の一つと位置づけられています。2025年度には、売上高1兆2,600億円、営業利益率12%を目標としていて、この目標を達成するために、三菱電機は以下のような戦略を展開するようです。

各地域ニーズに密着した商品開発の加速

  • 例えば、欧州ではGWP(地球温暖化係数)が低いグリーン冷媒への転換が求められているため、三菱電機はR32やCO2などのグリーン冷媒を採用した製品を開発・販売しています。
  • また、日本では新型コロナウイルスの影響で衛生ニーズが高まっているため、三菱電機は抗ウイルス・抗菌機能を備えた製品や空気清浄機能を強化した製品を開発・販売しています。

総合電機メーカーとしてのライフサイクルソリューションの提供拡大

  • 例えば、データセンターなどの産業用冷熱機器では、三菱電機は自社製品だけでなく、他社製品も含めた最適な冷熱システムの設計・施工・保守・運用まで一貫して提供することで、顧客のエネルギー効率やコスト削減に貢献しています。
  • また、住宅やビルなどの空調設備では、三菱電機は自社製品だけでなく、他社製品や太陽光発電などの再生可能エネルギーも含めた最適なエネルギーマネジメントシステムの提供や、AIやIoTを活用した遠隔監視・制御サービスの提供などで、顧客の快適性や省エネ性に貢献しています。

以上のように、三菱電機は空調冷熱システム事業で多様化する社会の課題に対応し、市場ニーズに合わせた商品開発とライフサイクルソリューションの提供で成長を目指しています。これらの取り組みは、脱炭素化や健康・安心・安全などのSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献するものであり、今後も期待が高まる事業分野です。

まとめ

三菱電機は、売上高目標を引き上げたことで、PERが低下し、株価は高値圏でも割安となっています。また、DX支援や防衛・宇宙事業などの成長分野で強みを発揮し、空調冷熱システム事業では各地域ニーズに応えた商品開発とライフサイクルソリューションの提供で市場シェアを拡大しています。

さらに、新中期経営計画では、脱炭素化や健康・安心・安全などの社会課題解決にも取り組んでおり、サステナビリティへの貢献度も高いです。これらのことから、三菱電機の株価は高値圏でも割安であり、今後の成長戦略に期待できると言えるのではないでしょうか?

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