どうも、投資ブロガーのsnowです。
近年、持続可能な社会の実現がますます重要視されるようになり、社会的な課題や環境問題への対応が急務となっています。その中で、投資の世界でも新たなアプローチが注目を集めています。
それが「インパクト投資」です。
私たちの投資が社会的な価値を追求し、持続可能な未来を作り上げる一助となることを目指した投資手法です。本記事では、インパクト投資の基本やメリットについて詳しく解説していきます。インパクト投資について初めて聞く人も多いかもしれませんので、一緒に学んでいきましょう。
インパクト投資とは?
インパクト投資とは、社会的な価値を追求する投資の一形態であり、単に収益を追求するだけでなく、投資先が持続可能な社会や環境にポジティブな影響を与えることを重視した投資手法です。つまり、金融的なリターンだけでなく、インパクト投資は、貧困や差別、環境、教育、福祉などの社会的課題の解決を意図的に目指しています。
インパクト投資は、単なる慈善活動や社会的責任投資(ESG投資)とは異なります。インパクト投資は、社会的な課題に対して実際に解決策を提供し、社会的な価値を創出することを目的とし、これにより、社会や環境に対して具体的なポジティブな変化をもたらすことを目指しているのです。
インパクト投資の基本原則
- 社会的な目的を追求する: インパクト投資は、単に金融的なリターンだけでなく、社会や環境に対するポジティブなインパクトを追求することを目的としています。投資先が社会的な課題を解決し、持続可能な社会を作り上げることを重視します。
- 測定可能なインパクトの評価: インパクト投資は、投資先の社会的なインパクトを測定し、評価することが重要です。具体的な目標や指標を設定し、進捗を定量的に評価することで、投資の効果を確認し、社会的な変化を実現します。
- インパクトと金融的リターンの両立: インパクト投資は、社会的な価値を追求する一方で、金融的なリターンを追求することも重要です。投資家は、社会的な課題の解決に貢献しつつ、投資先の収益性や持続可能性を考慮し、長期的な収益を期待します。
- 効果的なパートナーシップの構築: インパクト投資は、投資家や投資先の間での効果的なパートナーシップの構築が重要です。投資家は、投資先との継続的なコミュニケーションや協力を通じて、社会的な目的を達成するためのサポートを提供します。
- ロングタームの視点: インパクト投資は、社会的な課題の解決や持続可能な社会の実現を目指すため、ロングタームの視点を持つことが重要です。社会的な変化やインパクトの実現には時間を要することが多いため、投資家は長期的な視野を持ち、持続可能性を重視します。
これらの基本原則に基づいて、インパクト投資は社会的な価値を追求する投資手法として注目を集めています。
インパクト投資のメリット
インパクト投資の主なメリットは次のとおりです。
- 金銭的利益:インパクト投資は、従来の投資に匹敵する金銭的利益を生み出すことができます。実際、インパクト投資は長期的には従来の投資を上回ることさえあるという調査結果もあります。
- 社会的および環境的なプラスの影響:インパクト投資は、貧困、飢餓、気候変動、環境悪化など、現代の最も差し迫った社会的および環境的課題のいくつかに対処するのに役立ちます。
- 価値観との整合性:インパクト投資により、投資家は、世界をより良い場所にするために取り組んでいる企業や組織に投資することで、財務目標を価値観と整合させることができます。
- 意識の向上:インパクト投資は、社会問題や環境問題に対する意識を高め、他の人に行動を促すのに役立ちます。
経済的利益と社会的および環境的影響の両方を生み出すことができる投資戦略を探している場合は、インパクト投資を検討するのに最適なオプションです。
インパクト投資の事例
インパクト投資の事例は、多様なアセットクラスや業種で見られます。以下に、いくつかの事例を紹介します。
- 一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は、社会的課題を解決する事業を行う社会的企業に対して、出資や融資を行っています。例えば、障害者の就労支援や子どもの教育支援などの事業に投資しています。
- 第一生命保険会社は、インパクト投資とSIB(社会的インパクト債)に積極的に取り組んでいます。例えば、インドの農村部における太陽光発電事業や、日本の高齢者の在宅介護支援事業などに投資しています。
- 学校法人上智学院は、債券型インパクト投資を行っています。例えば、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に沿った教育活動や研究活動を支援するために、債券を発行しています。
- テスラは、世界有数の電気自動車メーカーとして利益を上げる一方で、「CO2排出量の削減への貢献」を評価されています。
- エーザイとヤマハ発動機は、インパクト投資の経済効果を試算する取り組みを行っています。例えば、エーザイはマラリア予防薬の提供やヤマハ発動機は水道設備の整備などの事業によって、社会的・環境的なインパクトと経済的なリターンを測定しています。
これらは、インパクト投資の一部に過ぎませんが、インパクト投資が多様な形で展開されていることがわかります。
インパクト投資の未来展望
インパクト投資の世界市場は拡大傾向にあります。また、金融庁はインパクト投資の普及を促進するために、基本的指針や事例集を作成するなどの取り組みを行っています。
投資家の意識も変化しており、単に経済的なリターンだけでなく、社会的・環境的な影響を重視する傾向があります。特に、若い世代の投資家を中心に、社会的価値を考慮した投資を選択する動きが広がっていると聞きます。
インパクト投資は、将来的にますます重要性を増すのではないでしょうか?
まとめ
インパクト投資は、ESG投資の中でも独自の位置づけを持ち、社会的・環境的な課題の解決と経済的なリターンの両立を目指しています。インパクト投資は、社会的に必要とされる投資であり、民間投資家への期待も高まっています。
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