
2026年も引き続き、防衛関連株は
国策銘柄として高い注目を集める分野になりそうです。
防衛関連株として真っ先に名前が挙がるのが、
三菱重工業・川崎重工業・IHIといった
いわゆる「防衛御三家」でしょう。
地政学リスクの高まりや防衛費増額の流れを背景に、
これらの銘柄はここ数年で大きく株価を上昇させてきました。
一方で、防衛産業の裾野は想像以上に広く、
完成品メーカーの陰で、防衛装備品やシステムを手がける企業にも
着実に資金が流れています。
防衛の形が変化する中で、
無人化・可視化・救難といった分野の重要性も
年々高まりつつあります。
本記事では、2026年時点の視点から、
防衛御三家“以外”に注目し、
防衛装備品という切り口で隠れた防衛関連株を整理します。
さらに、
プライム・スタンダード・グロースという市場区分にも目を向け、
リスクと役割の異なる3社を取り上げながら、
防衛関連株をどのように見ていくべきかを考えていきます。
なぜ今、防衛御三家「以外」に注目するのか?
防衛関連株と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは
三菱重工・川崎重工・IHIといった完成品メーカーです。
実際、これらの銘柄は
地政学リスクや防衛費増額を背景に、ここ数年で株価が大きく上昇しました。
その分、防衛テーマはすでに相当織り込まれているとも言えます。
一方で、防衛予算の拡大によって資金が流れる先は、
完成品メーカーだけではありません。
レーダー、センサー、通信機器、特殊部材など――
防衛装備品を担う企業にも、着実に国策マネーが回っています。
防衛産業は「完成品メーカーが頂点に立つピラミッド構造」です。
本記事ではその裾野にあたる
防衛装備品メーカーにあらためて注目していきます。
防衛関連株は「完成品」と「装備品」で分けて考える
防衛関連株は、大きく
「完成品メーカー」と「防衛装備品メーカー」
に分けて考えると、理解しやすくなります。
同じ防衛関連でも、
ビジネスモデルや株価の動き方、投資リスクは大きく異なります。
完成品メーカー防衛御三家(三菱重工・川崎重工・IHI)の特徴
完成品メーカーは、戦闘機や艦艇、ミサイルといった
防衛装備の“最終形”を担う主役です。
- 国家案件が中心で、契約期間は長期になりやすい
- 防衛費増額などのニュースに反応しやすく、株価の値動きは大きくなりがち
- 一方で、テーマ性が強く、すでに注目が集まりやすい
防衛関連と聞いて多くの投資家が真っ先に思い浮かべるのが、
この完成品メーカーです。
防衛装備品メーカーの特徴
防衛装備品メーカーは、
レーダー、センサー、通信機器、特殊部材など
特定部品・特定分野に強みを持つ企業です。
- 表に出にくいが、防衛システムに欠かせない存在
- 特定用途向けのため、受注は比較的安定しやすい
- 完成品メーカーほど話題にならず、見過ごされやすい
防衛産業を支える、いわば「縁の下の力持ち」と言える存在です。
【2026年注目】防衛装備品関連の隠れ防衛株3選
ここでは、プライム・スタンダード・グロース市場から1銘柄ずつ選出しました。
完成品メーカーではなく、防衛装備品という視点から、
役割・安定性・リスクの異なる3社を整理します。
| 銘柄名(コード) | 市場区分 | 特徴・役割 | リスク許容度 |
| 新明和工業 (7224) | プライム | 救難飛行艇・安定インフラ | 低(安定重視) |
| 日本アビオニクス (6946) | スタンダード | 防衛用電子機器・特機 | 中(実需重視) |
| ACSL (6232) | グロース | 国産ドローン・将来性 | 高(成長重視) |
① プライム市場|新明和工業(7224)
(防衛装備品 × 安定収益)
何を作っている会社か
救難飛行艇「US-2」を中心に、
防衛・救難・インフラ分野向けの特殊機体やシステムを手がけるメーカーです。
防衛との関わり
防衛省向け装備として、
海上自衛隊の救難任務を支える実戦配備済みの装備を担っています。
投資視点でのポイント
- プライム市場らしい事業の安定感
- 防衛一本ではなく、インフラ・民間向け事業も柱
- テーマ過熱時でも値動きは比較的落ち着きやすい
👉 「地味だが崩れにくい」タイプの防衛関連株
② スタンダード市場|日本アビオニクス(6946)
(ニッチ技術 × 実需)
防衛装備品としての役割
防衛向けの表示装置、センサー、電子機器など、
「表に出ないが欠かせない」装備品を供給しています。
御三家との関係性
完成品メーカーの防衛システムに組み込まれる形で採用され、
防衛御三家を裏側から支える存在です。
なぜ“隠れ”なのか
- 製品が一般に知られにくく、話題性は低い
- しかし、防衛装備の中核を担うため受注は堅実
👉 テーマ性より「実需」で評価される防衛関連株
③ グロース市場|ACSL(6232)
(ドローン技術 × 防衛テーマ)
防衛用途に使われる技術
国産ドローン技術を活かし、
警備・監視・災害対応・防衛用途への展開が期待される分野です。
期待とリスクの両面
- 防衛 × ドローンという強いテーマ性
- 一方で、事業は成長途上にあり業績の振れは大きい
短期・中長期どちら向きか
- 短期:テーマ材料に反応しやすい
- 中長期:防衛用途の本格採用が進めば、評価が変わる可能性
👉 ハイリスク・ハイリターン型の防衛テーマ株
防衛関連株を見るときの3つのチェックポイント
防衛関連株は、「国策」「有事」という強いテーマがある一方で、
銘柄ごとの性格差が非常に大きい分野でもあります。
ここでは、防衛関連株を見るうえで
最低限押さえておきたい3つの視点を整理します。
① 売上の何割が「防衛」か?
防衛関連とされていても、
売上に占める防衛比率は企業ごとに大きく異なります。
- ✅防衛比率が高い
→ テーマの影響を受けやすく、株価は動きやすい - ✅防衛比率が低い
→ 業績は安定しやすいが、材料性は弱くなりがち
この比率は、
有価証券報告書や決算説明資料の事業別売上で確認できます。
たとえば本記事で取り上げた3社も、
- ✅新明和工業:
防衛は事業の一部。インフラ・民間向けが主軸 - ✅日本アビオニクス:
防衛・航空向け装備品が一定の比重を占める - ✅ACSL:
現時点の防衛売上は限定的だが、テーマ性は高い
というように、防衛との距離感はそれぞれ異なります。
👉 「防衛株っぽい」ではなく、
売上構成という“数字”で見ることが重要です。
単発案件か、継続受注か?
防衛関連株を考えるうえで、
もう一つ重要なのが受注の性質です。
- 単発案件が中心
→ ニュースで急騰しやすいが、持続性は低い - 継続受注・保守がある
→ 派手さはないが、業績は安定しやすい
防衛装備品の多くは、
納入後の保守・改修・更新が長期間続きます。
特に装備品メーカーは、
- ✅同じ部品が長年使われる
- ✅途中で簡単に他社へ切り替えにくい
という特性があり、
完成品メーカーよりも収益が読みやすいケースもあります。
👉 株価の派手さだけでなく、
「受注が続く構造かどうか」を見ることが大切です。
③ 国策テーマとして、どこまで織り込まれているか?
防衛関連株は、
すでに「防衛費増額」「地政学リスク」という材料が
株価に織り込まれている銘柄も多い分野です。
- 御三家クラス:
期待はすでに高く、株価も大きく上昇済み - 装備品・周辺銘柄:
注目度は低いが、これから評価される余地もある
ここで重要なのは、
「良い会社か」ではなく「期待がどこまで入っているか」。
テーマが強いほど、
株価は実態以上に先走ることがあります。
👉 防衛関連株は
“国策だから安心”ではなく、
どこまで期待が織り込まれているかを冷静に見る必要があります。
まとめ|2026年は防衛装備品に注目したい
世界のあちこちで、紛争や地政学リスクに関するニュースが絶えません。
こうした国際情勢を踏まえると、投資の観点からも
防衛・防衛装備品というテーマは無視できない存在になっています。
特に近年の報道を見ると、
戦争の形は大きく変化し、ドローンをはじめとした無人装備の活用が
主流になりつつあることが分かります。
日本においても、防衛力強化の流れの中で、
完成品メーカーだけでなく、
防衛装備品・周辺技術への投資が今後加速する可能性は十分に考えられます。
こうした大きな流れを踏まえ、
- どんな装備が必要とされているのか
- その装備を支えている企業はどこか
といった視点でファンダメンタルを整理していくと、
まだ市場で十分に注目されていない銘柄を発掘できるかもしれません。
防衛関連株を、
「有事テーマ」で追うのではなく、
装備品という構造から見る。
2026年は、そんな視点がより重要になる年になりそうです。
防衛関連株は国策テーマの一角にすぎません。
2026年相場では、金利・防衛・景気循環など複数の視点からポートフォリオを組むことが重要になります。



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