
2024年後半から2025年にかけて、半導体株の動きは大きく揺れ動いています。
2022年〜2023年上半期には、AIや5Gの需要拡大で半導体市場が大盛況となりましたが、2023年後半から2024年にかけては需要過剰や在庫積み増しによる調整局面に入り、主要銘柄の株価は大幅に下落しました。
しかし2025年に入り、新たなAI需要や国内外の投資拡大を背景に復活の兆しが見え始めています。
本記事では、「2025年後半戦」として、半導体株の現在地と今後の注目銘柄、さらには「夏枯れ相場で拾って年末高を狙う」投資戦略まで、初心者にもわかりやすく解説します。
ここ数年の半導体株の流れを振り返る
■ コロナ禍と半導体不足がもたらした“注目テーマ化”
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で人やモノの流れが一時的に止まりました。
そんな中でも急速に拡大したのが、リモートワークやオンライン学習、巣ごもり消費といった“非接触型生活様式”です。
この流れで、ノートパソコンやスマートフォン、ゲーム機、さらには家電や自動車に至るまで、あらゆる製品で半導体の需要が爆発的に増加しました。
一方で、半導体を製造するための工場や物流がロックダウンの影響を受け、深刻な供給不足=「半導体ショック」が発生。
各国政府が対応に追われ、TSMCやSamsung、Intelといった世界的な半導体メーカーへの注目度は一気に高まりました。
この“供給と需要のギャップ”は、投資家の目にも明らかで、
「半導体は世界経済の心臓部」「今後も需要が伸び続けるテーマ株」として、半導体関連銘柄に資金が集まり始めます。
特に日本株では、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)といった装置メーカーに注目が集まり、
「半導体株=成長産業に乗る王道銘柄」という認識が定着したのがこの頃です。
■ 生成AIとNVIDIAの大躍進でバブル状態に
コロナ禍で半導体の重要性が見直されたのに続き、もう一段階上のブームを起こしたのが「生成AI」です。
特に2023年以降、ChatGPTをはじめとする生成AIの台頭により、世界中でAI開発競争が一気に加速。
その中心にいたのが、AI処理に欠かせない高性能GPU(画像処理装置)を開発・提供するNVIDIA(エヌビディア)です。
エヌビディアは、AI開発における“唯一無二の心臓部”と位置づけられ、わずか1年で株価が数倍にまで上昇。
これを皮切りに、投資家たちの間で「AI関連=半導体関連」という構図が明確化され、
NVIDIAと同じく半導体を支える企業への資金流入が加速しました。
日本市場においてもその影響は大きく、
- レーザーテック(6920):最先端EUV露光検査装置でAI時代の微細化に対応
- ディスコ(6146):半導体を“切る・削る”装置で世界トップシェア
- 東京エレクトロン(8035):AI向け先端プロセスの製造装置に強み
といった銘柄が次々と過去最高値を更新し、まさに“半導体バブル”とも言える状況に。
SNSやYouTubeでも「とりあえず半導体株を買っておけ」「AI=次の金脈」といった声が相次ぎ、
多くの個人投資家が半導体株に参入し、短期的な過熱感も漂う相場となりました。
■ 高すぎた期待の反動で急落した半導体株
エヌビディアを筆頭に、生成AIの追い風で一気に注目された半導体関連株。
日本の主力銘柄も次々と上場来高値を更新し、「買えば儲かる」「AIバブルはまだ始まったばかり」といった楽観論が広がっていました。
しかし──
市場は常に、期待と現実のギャップを織り込むもの。
2024年後半あたりから、いくつかの懸念が現実化しはじめます。
📉 1. 需要の前倒しと在庫調整
エヌビディア関連の特需で、先回りして発注していた部品や装置が一気に在庫化。
「売れると思って仕入れたけど、実際は供給過多だった」というケースが増え、メーカー各社の業績にブレーキがかかりました。
📉 2. 投資の過熱と“買われすぎ”の揺り戻し
PER(株価収益率)が100倍を超える銘柄も続出し、さすがに投資家の間でも「行きすぎでは?」という空気が漂い始めます。
結果として、一部の大口投資家や機関投資家が利益確定売りに動き、株価はわずか数ヶ月で半値、銘柄によっては1/3以下にまで下落。
- レーザーテック(6920):1株4万円台 → 1万円台へ
- ディスコ(6146):6万円超 → 2万円台
📉 3. マクロ経済の逆風(利上げ・景気減速)
さらに追い打ちをかけたのが、米国の利上げや景気減速懸念。
成長株である半導体関連銘柄は、金利上昇局面では売られやすい傾向があり、
一気に資金の流出と投資家心理の冷え込みが進みました。
結果として、「これからはAI・半導体の時代だ!」という声が目立たなくなり、
半導体株は短期間で期待の星から“敬遠されるリスク株”へと急転。
💬 でも、下落には意味がある
一度の急落は怖いものですが、それは次のチャンスへの布石でもあります。
過剰な期待が剥がれ落ち、地に足のついた割安水準になった今こそ、
本当に価値ある銘柄を見直すタイミングかもしれません。
■ 2025年、復活の兆しが見えてきた2025年相場へ
「もう終わった」と言われた半導体株に、再び希望の光が差し込んできています。
2025年に入り、いくつかのポジティブ材料が重なり、投資家の関心が少しずつ“戻り始めている”のです。
✅ TSMC熊本工場の稼働で注目度アップ
2024年末に完成し、2025年に本格稼働を開始したTSMC熊本工場は、日本の半導体復権の象徴とも言える存在。
ソニー・デンソー・トヨタなど国内企業も出資するこのプロジェクトは、「日本が再び半導体で世界に挑む」というムードを高めています。
TSMCの動きに関連して、半導体製造装置メーカーや材料関連株にも波及効果が期待されています。
✅ NVIDIAの好決算と生成AI需要の再加速
エヌビディアは2025年も絶好調。
生成AI市場の拡大が止まらず、AIサーバーやクラウドインフラへの投資が再び増加中。
これにより、「AI=一過性ではなかった」ことが証明されつつあり、半導体業界全体の見通しも明るくなっています。
NVIDIAの決算は、日本株の半導体セクターにも連動性が高く、好決算=日本株も買いという流れが再び起きつつあります。
✅ 株価にも底打ち感が出始めた
2024年後半の急落を経て、2025年現在の半導体株は過熱感が薄れた適正水準に。
一部銘柄では25日移動平均線や200日線を上回る動きが見られ、チャート的にも「底打ち→上昇トレンド入り」の兆しが出てきています。
投資家心理もやや改善し、「もう1回、半導体株で勝負するか…」と考える人が増えてきた印象です。
✅ 新テーマと絡んだ“次の成長領域”も見えてきた
半導体は今や、AIやスマートフォンだけでなく、
- 電気自動車(EV)
- 宇宙産業
- スマート工場・ロボティクス
など複数の成長テーマと密接に連動しています。
これらの市場が拡大する限り、半導体の重要性はますます高まると考えられ、再評価の動きが強まっているのです。
💡 投資家にとっての今
今の半導体株は、かつてのような“誰でも儲かるバブル相場”ではありません。
けれども、本質的な企業価値に着目する人にとっては、むしろ今がチャンス。
過去の反省と未来の期待が交差する2025年──
あなたはもう一度、半導体株に向き合ってみますか?
夏枯れ相場で拾って年末高を狙う戦略

「株って、いつ買えばいいの?」
初心者からベテランまで、永遠のテーマかもしれません。
そんな中、個人投資家の間で昔から語り継がれているのが──
夏に仕込んで、年末に売れ。
いわゆる「夏枯れ相場を利用した年末高狙いの戦略」です。
🌀 なぜ“夏枯れ”が起きるのか?
7〜8月は、企業の決算シーズン直後で新材料が乏しい時期。
加えて、海外勢や機関投資家も夏季休暇で売買を控える傾向があり、全体的に出来高が減少します。
この時期は「夏枯れ相場」と呼ばれ、株価が軟調になりやすい特徴があるのです。
でもこれは逆に言えば──
“安く仕込むチャンス”にもなりうるということ。
📈 年末に向けて株価が上がりやすいワケ
10月以降になると、
- 企業の下期業績への期待
- 投資家のリバランス(年末ポジション調整)
- 海外市場との連動(米国株の年末上昇傾向)
などを背景に、年末に向けた上昇相場が起きやすいのも事実です。
特に半導体株はAIやクリスマス商戦に絡むテック銘柄として物色されやすく、
2023年や2020年にも9月〜12月にかけて大きな上昇を見せた例があります。
🔍 どう仕込む?戦略の考え方
- 7月〜8月に“下がっているけど期待できる銘柄”をチェック
- 例:ディスコ、レーザーテック、東京エレクトロン など
- 決算で下がった銘柄を“材料出尽くし”と見て拾う
- 特に良決算で売られた銘柄は狙い目
- ナンピンではなく“打診買い”から始める
- 少しずつポジションを持ち、8〜9月にかけて分散購入
💡 こんな人にオススメの戦略
- 「安く買いたいけど、タイミングがわからない」
- 「過熱感がない今のうちに仕込みたい」
- 「年末に向けてゆるく期待を持ちたい」
…そんな個人投資家にとって、「夏枯れ戦略」はリスク管理と機会取りを両立できる現実的なアプローチです。
✅ まとめ:夏の静けさを逆手に取るチャンス
相場が静かな時期こそ、買い時を探す絶好のチャンス。
今は「半導体株にもう一度チャンスが来るかもしれない」と注目が集まっているタイミングでもあります。
「みんなが注目していないときに拾って、みんなが騒ぎ出した頃に売る」
そんな戦略がハマるのが、この夏かもしれません。
注目の日本株5選|ディスコ・レーザーテックほか成長期待の有力銘柄
✅ 1. ディスコ(6146)|“切る・削る”で世界トップシェア
半導体を物理的に加工する装置で、世界シェア80%以上。生成AIや車載半導体の需要増でも必須の技術。
- 過去の高値から調整中で割安感あり
- 円安メリットを受けやすい輸出型企業
- 分割後も売買しやすい株価水準
📈 個人投資家からの注目度も高く、夏枯れ時の押し目候補として有力です。
✅ 2. レーザーテック(6920)|EUV露光検査の“唯一無二”
最先端のEUVリソグラフィに対応した検査装置を手がける日本唯一の企業。世界のTSMC・Samsungが顧客。
- AI向け半導体や3nm以下の微細プロセスに不可欠
- 株価は3万円台から急落→今は1万円台で停滞中
- 長期的には再浮上の余地あり
💡 ハイリスク・ハイリターンの代表格。タイミングを見極めて打診買いもアリ。
✅ 3. 東京エレクトロン(8035)|国内装置メーカーの王者
装置売上で世界トップクラス。メモリ向け・ロジック向け両方をカバーし、市場全体の復活恩恵を受けやすい。
- 業績も安定・配当利回りも高め
- 海外投資家からの資金流入も期待大
- TSMC熊本工場やラピダス工場との関係にも注目
📊 初心者でも持ちやすい王道の大型株。長期投資にも適す。
✅ 4. SUMCO(3436)|シリコンウェーハの供給大手
半導体製造に欠かせない素材“シリコンウェーハ”を手がける。素材系は景気敏感な一方で爆発力あり。
- 景気回復局面での反発が大きい
- 価格交渉力があり、利益率も改善傾向
- 日本製の素材が見直されるタイミングで注目
🧪 安値圏にある今こそ、“仕込みどき”としての候補。
✅ 5. アドバンテスト(6857)|半導体検査で世界を支える
半導体が正しく動くかを“試験”する検査装置を提供。生成AIの爆発的需要で再び注目される可能性。
- エヌビディア好調→検査装置も連動しやすい
- 顧客層が広く、景気回復局面で買われやすい
- 2025年は海外比率の高さも追い風に
🧠 「製造→検査→出荷」すべての工程に関わる“裏の主役”です。
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投資のタイミングと注意点|押し目狙いとリスク管理のコツ
✅ 押し目を狙うとは?|高値づかみを避ける鉄則
「押し目買い」とは、一度上昇した株が一時的に下落(調整)したタイミングで買う投資手法です。
✔ トレンドが上向きであること
✔ 短期的な下げ(=利益確定売りや一時的な不安要因)であること
この2つが揃えば、**“下がったところで買って、再上昇で利益を取る”**ことが可能になります。
🔸 具体的には、25日移動平均線・75日移動平均線のサポートライン付近
🔸 決算後の“材料出尽くし下落”なども押し目候補
✅ タイミングを見極める2つの目安
- 移動平均線との位置関係を見る
→ 株価が75日線・200日線で反発しているなら底打ちの兆し - 信用買い残・出来高の動向をチェック
→ 出来高増+下げ止まり=買い勢力の入りどころの可能性大
📊 無料チャートツールなら「TradingView」などでも簡単に確認できます。
✅ 一括買いはNG!“打診買い”から始めよう
初心者にありがちなミスが、「一気に資金を投入してしまう」こと。
最初は「少額での打診買い」にとどめて、株価の動きを見ながら買い増すのが安全です。
💡 例)
- ディスコを1株だけ買って様子見
- 下げればナンピン、上げれば押し目を見極めて追撃買い
✅ リスク管理|絶対に守りたい3つのルール
ルール | 内容 |
---|---|
🎯 1. ロスカットラインを事前に決める | 例:「購入価格の10%下落で売却」など |
💰 2. 投資額は“余裕資金の範囲内”に | 借金・生活費に手をつけるのはNG |
📉 3. トレンドが崩れたら一度撤退も視野に | 長期ホールド前提でも状況判断は重要 |
✅「怖いから買えない」人への一言
「今買うのは怖い…」
その気持ち、とてもよくわかります。でも──
本当に買いやすい相場というのは、みんなが騒いでからでは遅いのです。
株は“先に買った人”に報いる仕組み。
だからこそ、不安を感じる今のうちに小さく始めるのが実は一番合理的とも言えます。
💬 まとめ:投資は“勇気”と“準備”のバランスが大切
2025年の半導体株は、“底打ちの兆し”と“まだ不安定な地合い”が同居する難しい相場です。
だからこそ、買いのタイミングとリスク管理が何よりも重要。
焦らず、でも動けるうちに──
あなたのタイミングで、半導体株への一歩を踏み出してみませんか?
まとめ|半導体株の復活は始まっている。次に動くのは“あなた”
この記事では、半導体株の過去〜現在の動きから、2025年後半に期待される復活シナリオ、注目銘柄、そして投資戦略までを徹底的に解説してきました。
📌ポイントをおさらいすると:
- コロナ禍・生成AIバブルを経て半導体は再び“注目セクター”へ
- 夏枯れ相場は“仕込みの好機”になりうる
- ディスコ・レーザーテック・東京エレクトロンなど有力銘柄多数
- 今は焦らず、“打診買い”と“リスク管理”がカギ
✅「知ってる」だけで終わらせないで
この記事を読んだということは、あなたはもう一歩リードしている側です。
あとは、実際に動くかどうか。
銘柄をチェックするだけでもいい、チャートを見るだけでもいい。
最初の一歩は「クリック」から始まります。
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✍ 最後にひとこと
半導体株の本格的な復活は、これから加速していくかもしれません。
その波に乗るために、準備だけでもしておく価値はあります。
次に動くのは──きっと“あなた”です。
✅ あとがき
📝 このブログでは「個人投資家向けに、ちょっと変わった投資戦略」や「初心者でも実践しやすい考え方」を発信しています。
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