再生可能エネルギーは、地球温暖化の問題を解決するためにますます注目されています。太陽光、風力、水力、バイオマスなど、さまざまな再生可能エネルギー源があり、世界中でその利用が拡大しています。
この記事では、再生可能エネルギー市場の最新動向と注目銘柄を紹介します。各エネルギー源の現状や将来性について解説し、今後の伸びが期待される注目銘柄を紹介します。
再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、バイオマスなど、自然のエネルギー源を利用して発電するエネルギーのことです。再生可能エネルギーは、化石燃料に比べて温室効果ガスの排出量が少なく、地球温暖化の防止に貢献するとともに、エネルギー資源の多様化や安定供給にも寄与します。しかし、再生可能エネルギーは、季節や天候によって発電量が変動しやすいという課題もあります。
日本では、菅総理大臣（当時）が、2020年10月26日の所信表明演説において、「2050年までにカーボンニュートラル」を目指すことを表明し、2021年10月には「第6次エネルギー基本計画」を策定しました。この計画では、2030年度の再生可能エネルギーの電力比率を22～24％とする目標を掲げており、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底する方針です。
太陽光発電市場の最新動向と注目銘柄
太陽光エネルギーとは、太陽の光を電気に変換するエネルギーのことです。太陽光エネルギーは、再生可能エネルギーの一種であり、化石燃料に比べて二酸化炭素の排出量が少なく、地球温暖化の防止に貢献します。
太陽光発電市場の現状と将来性
太陽光発電市場は、世界中で急速に拡大しています。2020年には世界全体で約138GWの太陽光発電容量が新規に稼働し、総容量は約760GWに達しました。この成長は今後も続くと予想されており、2030年には総容量が3倍になるという見通しもあります。
太陽光発電に関する最新技術
太陽光発電に関する最新の技術として注目されているのが、PERC（Passivated Emitter and Rear Cell）です。PERCは、太陽光パネルの表面と裏面にそれぞれ優れた光反射防止層を設けることで、太陽光の吸収効率を高める技術です。この技術により、太陽光パネルの効率が従来のものよりも20％以上向上するとされており、今後も太陽光発電市場において重要な役割を果たすことが期待されています。
今後の伸びが期待される注目銘柄
太陽光発電に関連する注目銘柄としては、シャープ（6753）、パナソニック（6752）、京セラ（6971）、オリックス（8591）などが注目されます。特にシャープは、太陽光発電分野に強い企業として知られており、海外市場でも高い評価を得ています。
風力発電市場の最新動向と注目銘柄
風力発電は、風の力を利用して電気を作り出す再生可能エネルギーの一種です。風力発電は、再生可能エネルギー市場で最も成熟した分野の1つであり、グリーンエネルギーの主要な柱の1つです。
風力発電市場の現状と将来性
風力発電は、太陽光発電と同様にインフラコストが高いため、長期的な視野に立って投資する必要があります。しかし、風力発電は太陽光発電に比べて低コストであり、多くの場合、地球温暖化ガスの排出量削減目標を達成するための最も費用効果の高い方法なのです。
風力発電に関する最新技術
風力発電の技術については、より高効率かつ低コストな風力発電機の開発が進んでいます。例えば、GEリニューアブル・エナジーは、風力発電機の巨大なブレードを3Dプリントで作成する技術を開発し、製造コストを大幅に削減することに成功しています。
今後の伸びが期待される注目銘柄
- 三菱重工業（7011） 世界最大級の風力タービンを開発し、急成長する風力市場に対応しています。
- 三井物産（8031） 国内外の風力プロジェクトに投資しており、巨大な風力発電プラントを所有しています。
- 住友重機械工業（6302） 大型風力発電用のギアボックスを提供しており、グローバルな風力市場で高いシェアを持っています。
- オリックス（8591） 国内外の風力発電プロジェクトに投資しており、海外では巨大な風力発電プラントを所有しています。
水力発電市場の最新動向と注目銘柄
水力発電は、水の力を利用して電気を作り出す再生可能エネルギーの一種です。水力発電には、環境負荷が少なく、変換効率が高く、安定した電力供給が可能というメリットがあります。
水力発電市場の現状と将来性
水力発電は、再生可能エネルギーの中でも歴史が古く、長年にわたって発電量を伸ばしてきました。現在、世界的に見ても水力発電は最も普及している再生可能エネルギーのひとつです。日本でも、長年にわたって河川などの水源を利用した水力発電が行われており、国内の再生可能エネルギーのうち、最も普及している分野といえます。しかし、新規の水力発電所の建設は難しく、既存の発電所の更新や維持管理に力を入れる必要があります。
今後の伸びが期待される注目銘柄
J-POWER（9513）は、日本の全水力発電設備の2割近いシェアを占めています。既存の水力発電所の更新や維持管理に力を入れる一方、新規の水力発電所の開発にも取り組んでいます。また、海外展開も積極的に行っており、ベトナムやフィリピンなどで水力発電所の運営に取り組んでいます。さらに、環境に配慮した発電に力を入れるため、新たな再生可能エネルギーの開発にも力を入れており、注目されています。
バイオマス市場の最新動向と注目銘柄
バイオマス発電には、二酸化炭素の排出量を樹木の光合成により相殺できる、廃棄物や未利用資源を活用できる、すでにある発電設備を活用できるなどのメリットがあります。
バイオマス市場の現状と将来性
バイオマスエネルギーは、木材や廃棄物などの有機物を燃料として利用することで発電を行うエネルギー源です。近年、地球温暖化対策や再生可能エネルギーの需要の高まりから、バイオマスエネルギー市場は拡大傾向にあります。特に、欧州やアジアの国々では、バイオマスエネルギーの導入が進んでおり、今後の伸びが期待されています。
今後の伸びが期待される注目銘柄
- 住友林業（1911）建築廃材や林地未利用木材などをエネルギー資源として活用する「木質バイオマス発電」事業を展開しています。同社は、2023年11月には宮城県の杜の都バイオマス発電所が運転開始予定です。
- 伊藤忠商事（8001）宮崎県日向市や愛知県田原市などでバイオマス発電所の建設に関与しています。同社は、木質ペレットの長期供給を行い、再生可能エネルギー関連ビジネスに積極的に取り組んでいます。
- 双日（2768）双日は、北海道苫小牧市にて、日本製紙と共同で設立したバイオマス発電事業会社「勇払エネルギーセンター合同会社」において、国内最大級のバイオマス専焼設備（74.95MW）の営業運転を開始しています。
まとめ
再生可能エネルギー市場は、世界的な温暖化問題の解決に向けた取り組みとして、ますます重要性が高まっています。
この市場に投資することで、長期的な成長が期待できるだけでなく、環境問題に取り組む企業に投資することになり、社会的意義を持った投資ができるというメリットもありますね。
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