日経平均株価がバブル後最高値を更新!日本株の現状と将来性を分析する

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日本株チャート

2023年5月19日、東京株式市場で日経平均株価が終値としても32年9か月ぶりの高値、いわゆる「バブル景気」の後の最高値を更新しました。この日、日経平均株価は前日より234円42銭高い3万808円35銭となり、1990年8月以来の水準に達しました。この記事では、日本株が独歩高となっている要因と今後の見通しについて分析していきます。

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日本株が上昇している3つの要因

日本株が世界の中で際立って上昇している背景には、以下の3つの要因があります。

① 海外投資家の買い越し

今年度に入ってからの日経平均株価は3月31日から5月18日までに9%上昇しました。この上昇の原動力は海外投資家です。欧米の金融引き締めで景気の減速が懸念される一方で、日本は新型コロナからの経済活動の再開やインバウンドの回復などで、まだ先行きが期待できると見る投資家が増えています。また、外国為替市場で円安ドル高が進み、海外投資家が買いやすい状況が続いています。

東京証券取引所によりますと、東証と名古屋証券取引所では4月は海外投資家が2兆1510億円あまり買い越しており、これは2017年10月以来だということです。。5月も2週目までに5658億円あまり買い越しており「日本株を持たないことが今はリスクだ」という声も聞かれます。

②堅調な企業業績

経済活動の正常化や円安の効果で業績を伸ばす企業が相次いだことも株価上昇の要因となっています。SMBC日興証券が旧東証1部上場企業を中心に18日までに発表をすませた全体の99.2%にあたる1423社の昨年度の決算を分析したところ、54%にあたる769社が最終的な利益を前の年度よりも増やし増益となりました。

特に、コロナ禍から回復した空運や陸運などの業績が改善しており、また、資源価格の上昇や円安の効果などで業績が押し上げられた商社を中心とした卸売業なども株価が上昇しました。

③企業改革への期待

東京株式市場では、1株あたりの純資産に対して株価が何倍かを表すPBR=株価純資産倍率と呼ばれる指標が1倍を下回る企業が多く、市場での評価が低いことが課題となっています。

東証は、ことし1月、市場の評価が低い企業に改善を求める方針を明らかにし、3月下旬には上場企業に対応するよう通知しました1。これを受けて、企業は自社株買いや配当増額などの株主還元策や事業再編などを発表するケースが増えています。これらは市場から好感されています。

日本株は今後も上昇するか

日本株は今後も上昇する可能性は高いと考えられます。しかし、リスク要因も無視できません。ポジティブなシナリオでは、以下のような要素が考えられます。

ポジティブなシナリオ

  • 新型コロナウイルス感染拡大やワクチン接種遅れなどによる景気への影響が限定的であれば、国内外で経済活動や消費需要が回復することが期待されます。
  • 日本企業はコロナ禍でも堅調な業績を示しており、今後も利益成長率やROE(自己資本利益率)など資本効率指標で世界水準に迫る可能性があります。
  • 日本政府や日銀は引き続き景気対策や金融政策を実施することで経済や金融市場への支援を行うことが予想されます。
  • 海外投資家は引き続き日本株へ積極的に投資する可能性があります。特に欧米ではインフレ圧力や利上げ観測などで金融引き締めへ向かう一方で、日本ではインフレ率や金利水準が低く安定しており、相対的に魅力的な投資先と見られる可能性があります。

ネガティブなシナリオ

ネガティブなシナリオでは、以下のような要素が考えられます。

  • 米国や欧州の金融引き締めにより世界的な資金流出圧力が高まり、日本株への資金流入が減少する可能性があります。
  • 中国経済の減速や地政学的リスク(台湾問題、ウクライナ問題など)により世界的な景気後退や市場混乱が起こる可能性があります。
  • 日本国内では政治不安(衆院選の行方など)や財政政策の失敗(増税の実施など)により景気回復への足かせになる可能性があります。
  • 日銀の金融政策についても、イールドカーブコントロール(長期金利の誘導)の維持やETF(上場投資信託)買い入れの是非などに関する議論や批判が高まる可能性があります。

まとめ

日本株は海外投資家の買い越しや堅調な企業業績、企業改革への期待などから、日経平均株価はバブル後最高値を更新しました。これは日本株の現状と将来性を示す重要な指標です。長期的な目線でみれば、今後まだまだ上昇していくのだと思います。

しかし、リスク要因も無視できません。米国や欧州の金融引き締め、中国経済の減速や地政学的リスク、日銀の金融政策に関する議論や批判、自然災害などもそうです。いつ何が引金になるかは誰にもわからないのです。

これらの要因にも注意しながら、投資判断を行うことが重要ですね。

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