
追証(おいしょう)を経験したことはありますか?
- 「突然お金を追加で入れろと言われる?」
- 「放置したら0円になる?」
- 「ヤバいって聞くけど、本当はどうなの?」
こうした不安は、
信用取引を始めた人なら一度は感じるものです。
この記事では、信用取引で発生する「追証」についてだけを、
要点を押さえて、短時間で全体像がつかめるようにまとめました。
結論から言うと、
追証は「知らないと危険」ですが、
仕組みを理解して管理していれば、必要以上に恐れるものではありません。
① 追証とは?|初心者でもわかる仕組み
多くの証券会社では、
保有株の値下がりによって
証拠金維持率が20〜30%前後を下回ると、追証が発生する仕組みになっています。
この状態を放置すると、
強制的に決済されることがあり、
相場の動き次第では、元手以上の損失が出る可能性もあります。
② 追証が発生するとどのくらい証拠金を要求される?
追証が発生したときに求められる金額は、
「証拠金維持率を、証券会社が定めた基準まで回復させるために必要な額」です。
多くの証券会社では、
維持率が20〜30%前後を下回ると追証が発生し、
解消するには25〜30%程度まで回復させる必要があります。
そのため、
「少し足りない分だけを入金すればいい」というわけではなく、
不足分+余裕を持たせるための金額を、
まとめて求められるケースが多いのが特徴です。
③ 追証を放置するとどうなる?|強制決済の仕組み
追証が発生したあと、
決められた期限までに入金やポジション調整をしないと、
証券会社は投資家の意思に関係なく強制決済を行います。
これはペナルティではなく、
証券会社が損失拡大を防ぐための強制的なリスク管理です。
強制決済とは?
強制決済とは、
追証が解消されない場合に、証券会社が保有中の信用ポジションを自動的に売却(または買い戻し)する仕組みです。
- 売るタイミングは選べない
- 相場が荒れていても関係ない
- 一番不利な価格で約定することもある
ここが、初心者が一番ダメージを受けやすいポイントです。
強制決済=即0円ではない
よくある誤解ですが、
追証が出た瞬間に資金が0円になるわけではありません。
ただし、
- 含み損が大きい
- 相場が急変している
- ストップ安(高)が続いた
こうした条件が重なると、
結果的に元手のほぼ全額を失うケースは十分にあり得ます。
④ 追証の払い込みはいつまで?
追証が発生した場合、
いつまでに入金すればいいかは、
証券会社ごとに異なります。
多くの場合、
- 追証発生日の当日〜翌営業日
- 指定時刻(午前中・正午など)までに入金
といった、非常に短い期限が設定されています。
この期限を過ぎると、
本人の意思に関係なく強制決済が行われます。
⑤ 追証ルールは証券会社ごとに違う?
追証の仕組み自体は共通していますが、
具体的なルールは証券会社や取引商品によって異なります。
「どの維持率で追証が発生するのか」
「どこまで回復させれば解消されるのか」
「猶予期間はどれくらいあるのか」
こうしたポイントは、
使っている口座ごとに確認が必要です。
SBI証券や楽天証券などでルールは違う?
はい、違います。
追証が発生する維持率や、
解消のために求められる水準は、
証券会社ごとに異なります。
例として、
- ある証券会社:維持率20%で追証発生
- 別の証券会社:25%で追証発生
- 解消条件:30%まで回復が必要
といった具合に、
基準値と回復条件がセットで決められています。
そのため、
「他社では大丈夫だった」という感覚で取引すると、
思わぬ追証を食らうことがあります。
FXと株で追証の仕組みは同じ?
似ている部分はありますが、同じではありません。
- 株の信用取引:
証拠金維持率を下回ると追証 → 入金期限あり - FX取引:
証拠金維持率が一定以下で即ロスカットされるケースが多い
つまり、
- 株:追証 → 猶予あり → 強制決済
- FX:基準割れ → 即強制決済
という違いがあります。
「FXは追証が出ないから安全」
というわけではなく、
損失確定のスピードが違うだけです。
⑥ 追証回避のためにできること
追証は、
突然起きるトラブルではなく、事前の管理不足で起きる事故です。
ここでは、初心者でも実践しやすい
「追証を出さないための基本ルール」を整理します。
1.証拠金を余裕をもって入れておく
追証の直接的な原因は、証拠金維持率の低下です。
最低限の証拠金ギリギリで取引していると、
少しの値動きでも一気に基準割れします。
- 必要最低額ではなく「余裕資金」で管理する
- 維持率30%ギリギリを常態化させない
これだけでも、追証リスクは大きく下がります。
2.レバレッジを抑える
信用取引で追証を出す人の多くは、
最初からレバレッジをかけすぎています。
- いきなりフル建てしない
- 余力を残した状態でポジションを持つ
「取れる最大額で勝負しない」
これが、長く生き残る人の共通点です。
3.損切りルールを決めておく
追証は、
損切りの遅れが積み重なった結果として発生します。
- 〇%下がったら切る
- 含み損が〇円に達したら撤退
感情ではなく、事前に決めた数値で動くことが重要です。
追証が出てから考えるのでは、すでに手遅れになりがちです。
実は、追証を食らう人の多くが
「損切りできず、買い増ししていた」という共通点を持っています。
なぜ人はこの判断をしてしまうのか?
👉 株初心者はなぜ「下がったら買い増し」してしまうのか?
4.自動決済の設定を理解しておく
証券会社ごとに、
- 追証の発生条件
- 強制決済のタイミング
- 自動ロスカットの有無
は異なります。
「知らなかった」は通用しないため、
自分が使っている証券会社のルールは必ず確認しておきましょう。
5.現物取引に徹する
最も確実に追証を避ける方法は、
そもそも信用取引を使わないことです。
現物取引であれば、
- 追証は発生しない
- 強制決済もない
- 元手以上の損失は出ない
という、明確な安全ラインがあります。
「リターンが小さい」と感じるかもしれませんが、
追証や強制決済で市場から退場するより、
長く相場に残ることのほうが重要です。
特に初心者のうちは、
現物取引だけでも十分に学びと経験を積めます。
⑦ 追証を食らったときの最悪シナリオ
追証そのものより怖いのは、
その後に起こる連鎖です。
資金全額消失
追証を放置し、
強制決済が不利な価格で重なると、
元手資金をほぼ全額失う可能性があります。
「追証=入金すれば終わり」ではなく、
間に合わなかった時点で、選択肢は一気に減る
という点は理解しておく必要があります。
損失確定後に再投資できない状態
強制決済で損失が確定すると、
- 資金が残らない
- 信用余力が回復しない
- 冷静な判断ができない
といった理由から、
しばらく投資から離れざるを得ない状態になります。
この「強制退場」に近い感覚が、
長期的には大きな機会損失になります。
精神的ダメージと次の投資への影響
追証や強制決済は、
金額以上にメンタルへのダメージが大きいです。
- 値動きが怖くなる
- 損切りが遅れる
- 逆に無理な取り返しトレードをする
結果として、
次の投資判断まで歪めてしまうケースも少なくありません。
実は、追証に至る前には
「判断を他人に任せた瞬間」があることが多いです。
その典型例がこちら👇
👉 雑誌の「爆上げ推奨株」を信じて買ったら下がった話
⑧ 追証で意外と平気なパターン
追証という言葉だけを見ると、
「もう終わりだ」と感じてしまいがちですが、
すべての追証が致命的になるわけではありません。
状況によっては、
冷静に対応することでダメージを最小限に抑えられます。
少額の追証は入金で回避可能
証拠金維持率をわずかに下回っただけの場合、
追証額が数万円〜十数万円で済むケースもあります。
この程度であれば、
- 期限内に入金する
- 一部ポジションを整理して維持率を回復させる
といった対応で、
強制決済を回避できる可能性があります。
重要なのは、
「追証が出た=即アウト」と決めつけず、
金額と期限を正確に確認することです。
急落でも保有株を小分けに処理すれば損失を最小化
相場が急落した場合でも、
保有株を一気に投げる必要はありません。
- 含み損の大きい銘柄から処理する
- 数回に分けて売却する
ことで、
維持率の回復と損失圧縮を同時に狙える場合があります。
強制決済に任せるより、
自分の判断で整理したほうが結果が良くなる
ケースも少なくありません。
まとめ|追証はヤバい?意外と平気?
追証は、
知らずに直面すると「ヤバい」ものです。
- 仕組みを理解していない
- 維持率や期限を把握していない
- 対応を先延ばしにしてしまう
こうした状態では、
資金・時間・メンタルを一気に失うリスクがあります。
一方で、
仕組みを理解し、事前に管理していれば「意外と平気」
なケースも少なくありません。
- 追証額が少額なら入金や部分決済で対応できる
- 強制決済の前に自分で動けば損失は抑えられる
- レバレッジと証拠金を管理すれば、そもそも出さずに済む
追証は「運が悪いから起きるもの」ではなく、
ルールと管理の問題です。
もし不安を感じるなら、
- レバレッジを落とす
- 損切りルールを明確にする
- 必要なら現物取引に徹する
それだけで、
追証リスクは十分コントロールできます。
怖いのは追証そのものではなく、
仕組みを知らないまま取引を続けること。
この記事が、
追証を正しく恐れ、冷静に向き合うきっかけになれば幸いです。



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