
含み益が出た。
画面の数字が増えた。
それだけで、なぜか安心してしまった。
「まだ売らなくていい」
「もう少し上がってからでいい」
そう思っているうちに、気づけば利益は消えていた。
早く利確しすぎたわけじゃない。
利確が下手だったわけでもない。
ただ、含み益が出た瞬間に、考えるのをやめていただけだった。
初心者の頃、
含み益は「結果」だと思っていた。
でも本当は、含み益こそが
売るか・持つかを決め直すタイミングだった。
この記事では、
「利確しない」という選択をしてしまった心理と、
なぜ利益を伸ばせなかったのかを、
当時の自分の失敗をもとに整理していく。
① 初心者の頃、含み益をどう勘違いしていたか
初心者の頃の自分は、
含み益が出た時点で「もう儲かった」と思い込んでいました。
株価が上がる。
評価額が増える。
その数字を見るだけで、
なぜか一仕事終えたような気分になる。
でも、今なら分かります。
それは完全な勘違いでした。
含み益というのは、
「利益が確定した状態」ではありません。
ただの途中経過です。
それなのに当時の自分は、
- 含み益が出た
- =判断はもう終わった
- =あとは眺めていればいい
そんなふうに考えていました。
実際には、
株を売っていない限り、
その利益は1円も手元にありません。
それどころか、
相場が少し逆に動けば、
含み益は一瞬で消えます。
それでも不思議なことに、
含み益がある間は不安にならない。
「まだプラスだから大丈夫」
「マイナスじゃないし問題ない」
そうやって、
考えること自体を放棄していたんです。
今振り返ると、
含み益を「結果」だと勘違いしていたのが、
すべての始まりでした。
本当は、
含み益が出た瞬間こそ、
- このまま持ち続けるのか
- ここで売って利益を確定させるのか
改めて判断を迫られるタイミングだった。
それを理解していなかった。
だから、利益を伸ばすことも、
守ることもできなかった。
② なぜ「利確しない」という選択をしていたのか
今思えば、
利確できなかったわけじゃない。
利確しないと決めていただけだった。
ただし、
自分にはその自覚がない。
「まだ上がるかもしれない」
「今売ったら、もったいない」
そうやって、
“売らない理由”はいくらでも後付けできた。
でも本音はもっと単純だった。
売るのが、怖かった。
利益が出ている状態で売るという行為は、
一見すると前向きな決断に見える。
でも実際は、
- ここからさらに上がったらどうしよう
- 自分だけ早く降りてしまうのでは
- 「あの時売らなければ…」と後悔するかもしれない
そんな不安が一気に押し寄せる。
だから当時の自分は、
何も決めないという選択をした。
売らない。
でも、持ち続ける理由もはっきりしていない。
ただ「今は考えなくていい」と、
判断を先送りしただけ。
含み益がある限り、
それは成立してしまう。
損はしていない。
数字はプラス。
だから問題は起きていない気がする。
この「安心感」が、
一番厄介だった。
含み損なら、
嫌でも考えざるを得ない。
逃げ場がない。
でも含み益は違う。
考えなくても、怒られない。
だから、
判断を放棄することに慣れていく。
結果として起きたのは、
- 利確する勇気もなく
- 利益を伸ばす覚悟もなく
- ただ相場任せで放置
という、
いちばん中途半端な状態だった。
この時点で、
すでに勝負は決まっていたのだと思う。
③ 初心者が陥る2つのフェーズ
初心者の行動は、
実はずっと同じではない。
多くの人が、
2つのフェーズを順番に通っていく。
どちらが正しい、間違っているという話ではない。
ただ、自分が今どこにいるのかを知らないと、
同じ失敗を繰り返すことになる。
フェーズ①:怖くて、すぐ利確してしまう時期
株を始めたばかりの頃は、
含み益が出ただけで、心臓がバクバクする。
- せっかくプラスなのに
- これが消えたらどうしよう
- 早く確定させたい
その結果、
- 含み益 → すぐ利確
- 含み損 → そのうち戻るはずと放置
いわゆる
小利損大の状態。
これはこれで、
初心者あるあるだと思う。
損をしたくない。
怖い。
その感情自体は、
決しておかしくない。
フェーズ②:含み益に安心して、考えなくなる時期
少し経験を積むと、
相場にも慣れてくる。
含み益が出ても、
フェーズ①ほど動揺しなくなる。
ここで起きるのが、
今回のテーマだ。
- 含み益がある
- だから大丈夫
- まだ決めなくていい
そうやって、
判断を先送りする癖がつく。
怖くて売るのではない。
でも、
覚悟を持って持ち続けてもいない。
ただ、
考えないことを選んでいる。
このフェーズに入ると、
- 利確は遅れる
- でも利益は伸びない
- 結局、含み益は消える
という、
いちばん報われない結果になりやすい。
大事なのは、どちらにいるかを知ること
フェーズ①がダメで、
フェーズ②が正解、
という話ではない。
問題なのは、
自分がどのフェーズにいるかを理解しないまま、
同じ行動を続けてしまうこと。
もし今、
- 利益が伸びない
- 含み益は出るけど、結果が残らない
そう感じているなら、
フェーズ②にいる可能性が高い。
そしてこの記事は、
まさにその人に向けて書いている。
④ 利確は正義、でも「考えない利確」は正義じゃない
「利確は正義」
この言葉自体は、
間違っていないと思う。
利益が出たら、
それを現実のお金に変える。
これは投資の基本だ。
でも、初心者の頃の自分は、
この言葉を少しだけ勘違いしていた。
利確という行為そのものが大事で、
なぜそこで利確するのかまでは、
あまり考えていなかった。
あるいは逆に、
- 利確しない=悪いことではない
- まだ持っている=攻めている
- 何もしていない=様子見という戦略
そんなふうに、
自分の中で都合よく解釈していた。
でも今なら分かる。
問題だったのは、
利確したか、しなかったかじゃない。
考えたか、考えていなかったかだ。
含み益が出た瞬間、
本来やるべきだったのは、
- ✅なぜここで買ったのか
- ✅その前提はまだ崩れていないか
- ✅ここから何を期待して持ち続けるのか
この3つを、
もう一度確認することだった。
それをせずに、
- 含み益があるからOK
- まだ決めなくていい
- とりあえず放置
こうなった時点で、
それはもう「戦略」ではない。
ただの思考停止だ。
利確は、
早くても遅くても問題になる。
でももっと問題なのは、
理由のない利確と、
理由のない保有。
どちらも、
「考えるのをやめた結果」だから。
この回で言いたいのは、
利確を否定することでも、
長期保有を否定することでもない。
含み益が出た時こそ、
一番頭を使うべきだった、
というただそれだけの話だ。
⑤ じゃあ、どう考えればよかったのか(結論)
含み益が出たとき、
本当は何か新しいことをする必要はありません。
やるべきことは、たったひとつ。
含み益が出たら「もう一度、売買理由を考える」
買ったとき、
あなたには必ず理由があったはずです。
- トレンドが出ていた
- 押し目だと思った
- 数字や材料を見て判断した
含み益が出た瞬間、
その理由をなかったことにしてしまうから、
思考が止まる。
だから、
「この理由は、今も生きているか?」
これをもう一度だけ考える。
それだけでいい。
売らないなら「なぜ売らないか」を言語化する
「まだ上がりそう」
「なんとなく」
これはダメです。
うまい人は、
利確しないときほど
理由を言葉にしています。
- トレンドが崩れていない
- 想定していた流れの途中
- 売る理由がまだ出ていない
完璧じゃなくていい。
言語化できるかどうかが、
“伸ばせる人”と“止まる人”の分かれ目です。
ルールがなくても「意識」は持てる
よく、
「ちゃんとしたルールがないから…」
と言われます。
でも実際は、
ルールがなくても負けているわけじゃない。
負けているのは、
考えるのをやめた瞬間です。
- 含み益が出た
- だからこそ、考え直す
- 売らないなら理由を持つ
これだけで、
トレードは「反射」から「判断」に変わります。
結論:含み益は“判断をやめていい合図”ではない
含み益が出たときに
考えるのをやめていた。
それが、
初心者の頃の私が利益を伸ばせなかった本当の理由。
- 含み益=終了
- ではなく
- 含み益=再確認
この意識を持てるだけで、
小さく利確して終わる回数は、
確実に減っていきます。
⑥ まとめ|含み益は「ゴール」ではなかった
初心者の頃、
含み益が出た瞬間に、
なぜかもう終わった気になっていました。
- 画面の数字が増えただけ
- お金はまだ手に入っていない
- なのに、思考はストップ
結果、
・すぐ利確して伸ばせない
・もしくは放置して戻ってくる
このどちらか。
勘違いしていたのは、これです。
含み益=判断しなくていい状態
本当は逆で、
含み益が出てからが「判断の本番」でした。
- 買った理由は、まだ生きているか
- 売らないなら、なぜ売らないのか
これを考えるだけで、
トレードは「反射」から「判断」に変わります。
初心者の頃に勘違いしていたことシリーズ
この話は、
初心者がつまずきやすい勘違いのひとつです。
このシリーズでは、
昔の自分が本気でやらかしたことを、
ひとつずつ言語化しています。
- 第1回:なぜ損切りは「負け」に見えるのか?
- 第2回:株は毎日売買しないと「サボり」だと思ってた話
- 第3回:「下がったら買い増し(ナンピン)」という名の現実逃避
- 第4回:含み益が出た瞬間、考えるのをやめていた話
- 第5回:「優待があるから損してない」という自分への言い訳(公開予定)
- 第6回:雑誌の「爆上げ推奨株」を信じて、自分の頭を捨てた末路(公開予定)
どれも、
知識じゃなく思考のズレの話です。
もし今、
同じことでモヤっとしているなら、
次の回もきっと刺さります。


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