
年間で負けていた年、
僕はふと、こう思いました。
「あれ?信用で買ったほうが、配当は多い?」
現物で持っていた株より、
信用で持っていた株のほうが、
口座に入ってくるお金が多かったからです。
だから当時は、
何も疑っていませんでした。
配当は、株を持っていれば同じ。
違いがあるなんて、考えたこともなかった。
でも後になって知ります。
あれは「配当」ではなかった。
もらっていたお金も、
税金の扱いも、
そもそも意味がまったく違っていた。
これは、
配当の話であり、
仕組みを知らなかった初心者の話です。
① 配当は「株を持っていれば同じ」と思っていた初心者時代
当時の僕は、
現物でも信用でも、
「配当は配当」だと思っていました。
株を持っていればもらえるもの。
それ以上、深く考えたことはありません。
実際、口座に入ってくるお金を見ても、
「現物の配当」「信用の配当」
なんて区別は表示されない。
だから、
- もらえるなら同じ
- 違いがあるはずがない
そう思い込んでいました。
金額に差が出る理由も、
考えたことがなかった。
税金の違い?
名義の違い?
そんなものがあるなんて、
そもそも知らなかったからです。
今ならわかります。
配当がどう扱われるかは、
「株を持っているのが誰か」で決まる。
でも当時の僕は、
その前提すら持っていませんでした。
👉 この時点で、勘違いはもう始まっていた。
② 現物株と信用株で「もらえる配当が違う」理由
同じ銘柄を、
同じタイミングで持っている。
それなのに、
現物と信用では、
もらっているお金の正体がまったく違っていました。
現物株の場合
- 株主名義:自分
- 受け取るもの:正式な配当金
- 課税区分:配当所得
- 税金:20.315%が源泉徴収
つまり、
会社 → 株主(自分)
という、まっとうな配当。
「株主への利益分配」として、
はっきりした位置づけがあります。
信用買いの場合
株主名義:証券会社
受け取るもの:配当落調整金
課税区分:譲渡所得
税金:売買損益と合算
こちらは、
会社 → 証券会社
証券会社 → あなた(調整)
という形。
正式な配当ではなく、
配当分を“調整してもらっている”お金でした。
何が一番の違いか
違うのは、
金額だけじゃありません。
- 名前が違う
- 税金の扱いが違う
- 損益との関係が違う
つまり、
👉 同じ「配当」に見えて、
制度上は別物
だった。
当時の僕は、
この違いをまったく理解していませんでした。
だから次に、
大きな勘違いをします。
③ 年間マイナスの年に信用取引の配当が多く見えた勘違い
その年、僕は
売買でしっかり負けていました。
つまり、
譲渡損失が出ていた年です。
このとき──
- 信用取引でもらった
配当落調整金 - すでに出ていた
売買の損失
これが相殺されました。
結果どうなったかというと、
👉 税金がかからなかった
だから当時は、こう思ってしまった。
「あれ?
信用のほうが、配当たくさんもらえてない?」
でも、冷静に考えると違う。
実際は──
- 得をしていたわけでも
- 配当が多かったわけでもない
すでに負けていたから、税金が引かれなかっただけ。
つまりこれは、
👉 利益が出た話ではなく、
損失がクッションになっていただけ
④ 現物と信用、結局どっちが有利?配当落調整金の真実
配当落調整金は、配当金より多いことも少ないこともある
結論から言うと──
配当落調整金は、
現物の配当金と“必ず同じ金額”になるわけではありません。
年によっては
- 現物の配当金より 多くなること もある
- 逆に 少なくなること もある
これがまた、勘違いを生みやすいポイントでした。
なぜ金額がズレるのか?
理由はシンプルです。
👉 配当落調整金は「実際の配当金」ではなく、
「理論上、このくらいになるはず」という金額で計算されているから。
信用取引では、
- 株主名義は証券会社
- 本物の配当金を受け取るのも証券会社
- 信用買いの人は、あとから「調整金」で帳尻を合わせる
この「帳尻合わせ」に使われるのが、
取引所や証券会社が決めた 理論値 です。
理論値に影響するもの
この理論値は、
- 配当予想
- 金利水準
- 権利確定日までの日数
- 市場環境
などをもとに計算されます。
👉 つまり、
実際に確定した配当金と、ピッタリ一致する保証はない。
だから、
- 「あれ?今年は信用のほうが多いぞ」
- 「逆に少ない年もあるな…」
こんな現象が起きます。
⑤ 「知っているつもり」で損をする|配当の勘違いから学ぶ
初心者のころ、僕は
「信用で買ったほうが、配当が多い!」
と勘違いしていました。
そのため、無駄に信用で配当をもらおうと試み、
結果的に損をしていたのです。
- 年間マイナスの年なら、税金が相殺されるので手取りが多く見える
- 年間プラスの年なら、信用で受け取る配当落調整金は課税対象
→ メリットはほとんどない
見落としていた「見えないコスト」
信用の調整金に目を奪われていましたが、 信用取引には「買い方金利」が発生します。
👉 もらえる調整金よりも、支払う金利や手数料のほうが膨らんでいた。
結局、配当を狙いに行って、それ以上のコストを証券会社に支払っていたのです。
つまり、
「知っているつもり」で行動すると、かえって高くつくということ。
まとめ|配当の仕組みを知って「無駄な損」を避ける
初心者のころの僕は、配当の仕組みをよく理解していませんでした。
- 現物と信用で配当の扱いが違うことを知らなかった
- 年間損益で手取りが変わることに気づいていなかった
- 「信用で買ったほうが配当が多い」と勘違いして行動していた
結果、無駄に損をしていたのです。
ここからの教訓
- 配当は「株を持っていれば同じ額もらえる」とは限らない
- 信用の配当は「配当落調整金」で、税金や年間損益で受け取る金額が変わる
- 表面的な数字だけで判断せず、仕組みを理解して行動する
💡 ポイント
- 年間プラスなら、現物で受け取る配当が基本
- 年間マイナスなら、信用の調整金で手取りが増える場合もある
- 見た目の「多さ」に騙されないことが大事
▶ 初心者の頃に勘違いしていたことシリーズ
- 第1回:なぜ損切りは「負け」に見えるのか?
- 第2回:株は毎日売買しないと「サボり」だと思ってた話
- 第3回:「下がったら買い増し(ナンピン)」という名の現実逃避
- 第4回:含み益が出た瞬間、考えるのをやめていた話
- 第5回:株主優待が届くたびに、現実から目を背けていた話
- 第6回:配当は同じじゃなかった― 現物と信用で、もらえるお金が違うと知らなかった話
- 第7回:雑誌の「爆上げ推奨株」を信じて、自分の頭を捨てた末路(公開予定)


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